【京都フォーラム】令和4年度第四回「京都フォーラム共働研究会」開催のご案内

各位
既にご案内の通り、令和4年度第四回「京都フォーラム共働研究会」を7月23日(土)、ZOOM活用にて9時00分~15時40分で開催する運びとなりました。
 
現在、世界中が、ロシア(プーチン)のウクライナ侵攻や、コロナ問題等を中心に、軍事的、経済的、地政学的、地球環境的、等の多面的諸問題に対し、解決への道への曙光が見いだせないまま混迷の状況が続いております。これは、私どもが、本来の生きるべき役割を忘却し、分別知による意識レベルで“自我や我執化”を生き、“自己実現”を目指して行動した結果であり、解決に向けて、世界中が一丸となって対応していくことは当然として、大変迂遠と思われている“世々代々のまことを生きる道”、そして、”パブリックヒストリーを生きる道”を拓いていくことが求められ、私ども一人ひとりが、すべてを“空”にして「宇宙―内―実在」として生きること、それは、“無我”、“「空」の自覚と「空」の実践”,“縁起の実践”、“慈悲の実践”に励むことであり、併せて「三輪清浄」の無分別智の行動へとつなげていくことが極めて大切であると思われます。

ご高承の通り、無分別智の「三輪清浄」で行動する時、その行為は他者への救済(利他)をもたらすと同時に、自己の深層心(阿頼耶識)を浄化するという自己の救済(自利)をもたらし、関係する人、事物すべてが清浄になるということであり、改めて、自我意識・所有意識・分別意識を中心とする“意識のピラミッド”/分別知で知識主体の「識字率」の世界から脱却し、宇宙大の大欲清浄、三輪清浄を中心とする“行の内包化”/無分別智で自分自身を深め続ける「識自律」の世界の大事さを、お互いに目指していくことにもつながります。

私どもは以上のような感覚を大切に、国内外の人々と共働して、新しい世界づくり/自己、組織、社会全体を革新して、永続的に発展する公共幸福、公共幸福世界に向けて、「世々代々の永続的発展」と「世々代々のまことを生ききる」/「パブリックヒストリーを生きる道を拓く」活動を、皆様方とともに目指して参る所存でありますので、奮ってご参画頂きますようお願い申し上げます。(ご出欠の「回答フォーム」は文末にございます)

 6月28日(土)開催の「第三回京都フォーラム共働研究会」は、冒頭、服部塾長から基調講演として、「所有の文明を存在の文明へ グランド・リセットの機(とき)」と題し、本年4月11日にNHKテレビ『視点・論点』でのご講演を中心にお話頂きました。
 初めに、京都フォーラムが実践したインドの緑化事業で、地域住民の協力により不毛の地に森が蘇えったことを評価して頂いた後、ヒンドゥー教のシヴァ神についてお話頂き、中学時代に“破壊の神”と学ばれましたが、20年前にインドに招かれ際に、目の前の大きな素晴らしい神の像を見て、“これは何か”とインドの政府の人に質問したら、“ロード・シヴァ”との答があり、それがシヴァ神だったと判ったこと、そして、その像の頭の上からヘビが下りてきて、体をグルグルと巻いている姿を見て、“この大蛇は何ですか”と聞かれたら、“ガンガ”と答えがあり、「ガンガ」というのは、日本ではガンジス川と言ってる川のことで、インド人は全部「ガンガ」と言うそうで、その時に先生は初めて“シヴァ神”がわかったとのことでした。つまり、シヴァ神というのは、ガンガすなわちガンジス川の化身であり、大いなる水の循環を司るのがシヴァ神であり、それゆえにシヴァはヒマラヤの秀峰カイラスに住むとされていること、そして日本に届けられたシヴァ神のイメージは、この自然の神の破壊の側面だけであったことを、その時学ばれたとのことでした。

 続いて、砂漠化に関して「砂漠化はいのちの循環を断ち切る行為によって招来した」、さらに、「地球の砂漠化は人間精神の砂漠化が招来した」、これは、先生の信念であり主張であり、従来、「CC」は、「Climate Change」の意味でしたが、現在、この「CC」はもはやChangeどころではなく、「Climate Crisis」と言い換えてもよい段階に達していると話され、昨今、地球を襲っている未曾有の自然災害、消えない山火事、大津波、巨大ハリケーン、大洪水を目の当たりにする時、フランスの哲学者ミシェル・セールが、15年前「地球との和解」というUNESCOのシンポジウムで、「人類に切り刻まれた自然は、いま沈黙の内に再結集し、人類に報復しようとしている」との言葉が思いおこされると話されました。

続いて「デカルトの目」について語られ、この目は、地球の生命誌の体系から抜け出て地球や大自然を離れて見ていることで、自然はもはや客体・対象となり、このことから、科学革命への展開や「自然との離婚」ということが起こることになったこと、さらに、ヨーロッパにおいては、自然科学と、キリスト教神学の戦いにおいて、知識に関わる真理は「科学」、倫理に関わる真理は「教会」と棲み分ける「二重真理」により、科学は善悪に関する免罪符を得て、「倫理は科学の分野に非ず」という論理、「Value free善悪を問わず」という姿勢が、後に戦争犯罪とされる生物化学兵器、枯れ葉剤/これは森を消滅させ、果ては、原爆といった非人道的な大量破壊兵器の出現は、この棲み分けの論理に由来するものと考えられ、真理は常に倫理を含む東洋との大きな違いとなったと先生の所見をお話頂きました。

 自然との離婚」/「自然の客体化」が引き起こしたもう一つの大きな変化は、人間の価値が「存在To be」から「所有To have」に変異したことであり、自己の外にあるものを自己のものとすること。財産を持つ、地位を持つ、領土を持つ、権力を持つ、すべて自己の外のものだからこそ持つのであり、植民地主義、これが所有の文明の最たるものであり、20世紀、我々は所有の文明による戦い、その悲惨な結末を経験したにも拘らず、現在もなお、人間は市場原理主義による巨大経済、地下資源の簒奪、宇宙開発等々、あくなき極大の所有を求め続けております。

最近のパンデミックの脅威は、前述のミシェル・セールの言葉、“自然による人類への復讐”の警告を想い出させ、極大を求めるものは、極小のものから復讐を受ける事態であり、我々はコロナ禍の苦しみの中で、人類史のたった2万分の1というこの一瞬の時間帯に起こった「自然との離婚」、それによる人間の全体性の消失、人間疎外こそが異常事態なのだと気づき、改めて、我々は、生成する大自然(ピュシス)の主人でも所有者でもなく、その一員であることを再認識し、近代文明を形成してきた“所有の文明”(To have)から、人間本来の“存在の文明”(To be)への文明転換の天機ととらえ、今こそ「グランド・リセットの機(とき)」であるとの思いを強く語られました。

最後に先生は、中村桂子先生の38億年の命の広がりの「生命誌」の扇の図を見せながら、人間は自然の外ではなく、広がった扇の中の、すべての生物の中の一番左側の端に存在していること、そして、あのエデンの園には、“知恵の樹”だけではなく、もう一つ大切な樹/“生命の樹”が植えられており、人類は今、この忘れられた樹のほうを振り返り、歩み寄らねばならない。この“忘れられた樹”への振り返りを「文明のグランド・リセット」と呼びたいと結ばれ、、国際的に活躍された広い視野と深い見識からのお話に、参画者一同、深く感銘を覚えた次第です。

 続きまして私から、「一老人の「老年期超越」気づき始め(Ⅲ)経験価値としての宇宙-内-実在 高神覚昇の密教概論に学ぶ“空の実践”の理念化と道の文化」について話をさせて頂きました。

 1200年前に生きた「空海」に関しては、いろいろの方が種々語っておられますが、高神覚昇先生ご自身が、真言密教の僧侶であり、仏教学者でもあり、しかも、大谷大学で西田幾多郎に弁証法を学ばれたこともあり、『密教概論』という著書を通じ、空海のいわゆる人生や境涯、空海がどう生きたのか、さらに、経験価値としての「宇宙-内-実在」について、西田の言う「場所的弁証法」で、しっかりと論理構築をしてお話頂いていることもあり、非常に分かりやすく、大変深く学ぶことができ、さらに、「空の実践」と「空」の裏返しの「縁起の実践」の理念化と、そこから始まる「道の文化」への展開についても気づかせて頂きました。

「経験価値としての宇宙-内-実在」については、いま少し正確に言いますと、「経験価値としての大宇宙としての宇宙」と、そして「小宇宙としての実在」、これが相互に行ったり来たりできる関係であり、これが無分別智を行うというところで、「空の実践」になり「縁起の実践」にもなるという繋がりも見えて来ました。

お示しした図の横にカッコ付きで『密教概論』第五章「成仏論」の内容、「成仏への道」・「成仏への方法」・「成仏への階梯」・そして「即研究会身成仏」を記載しましたのは、「即身成仏論」が、『密教概論』の一番の核心であると捉えたからでした。

「即身成仏」は、非常に大事なキーワードですが、真言密教の僧侶でもなく仏教学者でもない私共にとっては、この「即身成仏」は、お釈迦様が、29歳で出家して35歳で「成道」して、いわゆるブッダになったというところが、非常に大事であり、「成仏」を「成道」/人間がいわゆる仏に成る道として捉え、常に仏になった行いとして、日々の活動しっかりと深めていくことで、意義深い人生になると受け取り直している次第です。

第三回共働研究会の案内で、西田幾多郎の「場所的弁証法」については、エレベーターで上下に垂直移動するような弁証法だと申し上げましたが、今般、私共が従来から活用しております「5Wマンダラ」ともつながりました。
 これは「五つのWでマンダラの目指すところを問う」ということで、ヨコ軸で「Where」、「Who」、「When」として、「空間」と「人間」と「時間」を問い、次いで、タテ軸の下から「Why」、「Who」、「What」として、「理念」から始まって、「人間」が真ん中で絡み、そして最後「実践、行動」へ繋がるのを「マンダラ的弁証法」と捉えると、“マンダラも弁証法だ”との気づきとなり、宇宙の秘密を読み解くのに、マンダラを活用してきたのであれば、我々も自分がやるべきことについて、マンダラをさらに深め活用して行きたいとの思いを強めており、特に、西田幾多郎の「場所的弁証法」は、あえて「垂直的/エレベーター的 場所的弁証法」と勝手に名前を付けさせて頂きましたが、弁証法の持ってる「否定の否定」を生かして、意識のピラミッドが陥りがちな「無知の陥穴」、「To have」、「分別意識」、「自我意識」、「所有意識」等を超えて、絶えず内へ内へと自己自身の内容を深め続ける「空」と「無我」の新しい行為の「To be」の「弁証法」の活用法にも気づかせて頂いた次第です。

そして、「空の実践」により、「縁起の実践」は、絶えずタテヨコの関係を考えていくことが大事であり、併せて、自分たちのとらわれた「意識ピラミッド」の次元を「行い」へ弁証法的にどんどん超えて実践することで、ヨコにもその間柄的関係が広がり続け、タテにも神仏への道がどんどん拓かれ続けていく、これこそが古来言われて来ております「道の文化」につながること。また、「宇宙-内-実在」という大宇宙と小宇宙を媒介する自分の中の無分別智の行いこそが「空の実践」となり、「縁起の実践」となったときに、道縁/八正道に繋がり、まさにそれは、一人ひとりがつくり出す道の文化の始まりになり、永続的発展に繋がっていくと期待している次第です。

地球の陰から太陽が上がってくるところを、最後に象徴的に図示しておりますが、こういう情景を思い描き実践することが、企業経営者の天命/宇宙的使命であり、京都フォーラムに参加頂いているオーナー経営者一人ひとりが、自覚的にその「空の実践」の理念化を行い、「縁起の実践」の道の文化を広げていくこと、いわゆる実践者として、地球大にいわゆる実績をつくり上げていくことで、後に続く人々への道が開けてくるという京都フォーラムとしての思いを話させて頂きました。

続いて、ご発題の部は、まず、最初に
株式会社グッドプランニング 吉田 盛範代表取締役から、「空の自覚と実践を通じて、万物に縁起を世々代々に開き続ける梵我一道の文化をつくる」と題しご発題頂きました。 
ご発題は、①:「空の自覚」については、日々、「和弁の会」に参加して、その学びを自分だけにとどめずに、行動しながら広げていこうとする試行により、自分の行動すべてが全体へとつながっていることを実感する一方、「和弁(W/A・X)の会」に参加するたびに毎日懺悔しているが、頭で考え分別して行動しないより、情動を大事に「空」を無分別智で行動する事が大事であり、空を自覚して行い続ければ、理念がはっきりと見えて来て、新しい道がひらけることを多くの人たちと共有して、さらなる実践を共にしていきたいと話されました。

続いて、②:空の実践、③:行いは業種の壁を超え、理念として顕現する、④:経営者として「木」を育てるのではなく「森」をつくる、⑤:内発的な行いを三輪清浄の行い、⑥:恩返し事始め、のそれぞれについて、1991年4月の薬局創業以来、お互いの生命の大切さを第一義に、患者の皆さんに寄り添い、ともに公共幸福社会の構築を目指すというご自身の経営理念を基に、「空の自覚と実践」という人間として、「まこと」や「情感」による絶対次元の大欲清浄の30年余にわたるご自身の活動や経験内容を、ご開陳頂きました。
そして、「みんなの幸せが私の幸せ」と感じられる社会は、遠い未来に誰かが作ってくれるものでは決してなく、私たち一人ひとりが「空の自覚と実践」をし続け、自分と他者を分けずに行動していくことで実現できるものと確信していると話され、最後に、お互いに経営者として、新しい世界を目指して、「空の実践」、「縁起の実践」を理念として、しっかりと日々実践して参りましょうと結ばれ、参画者に対して、将来に向けての大きな力と希望、目指すべき道筋を与えて頂き、参画者全員が感銘を受け、感動の輪が拡がりました。

続いて、トリプルインサイド有限会社 内本 雅代表取締役から、「「宇宙―内―実在」=「空」の実践を理念として、自社の経営に、社会大に、国家大に、地球大に、世々代々の道の文化を広げよう!」と題し、ご発題頂きました。
 ご自身は、現在、リフォーム・リノベーションを専門とする会社を営まれ、最近、「和弁(W/A・X)の会」で「「宇宙―内―実在」を学び始め、確かに宇宙の中に実在していること、そこでは、まったく制限がなく、自由自在に生きて「空」の実践を行うことができると思うことや、また、宇宙からの視点で生き方や物事を考えると、そこには宇宙大の絶対次元の大欲があることに気づかされると話されました。

また、「宇宙」については、最近、某大手ゼネコンが、「宇宙エレベーター」を建設するという報道があり、2025年に地上の発着場アース・ポートの建設に着手できたなら、25年後の2050年には「宇宙エレベーター」が完成する予定ということで、はるか遠い宇宙が少し身近な存在になってきた感じを持ち、この壮大な「宇宙エレベーター」計画は、技術開発の最先端への果敢な挑戦と評価しつつも、「空」の実践の「理念」の表明が欠けているのではないか、とのご自身の思いを語られました。

 また、ここに大手企業と中小零細企業があれば、現状は、大手企業の方が立場は強く、その関係は、大手企業が上流で、中小零細企業が下流に位置しているが、中小零細企業だけが「空」の実践を「理念」にした場合、その関係は逆転する可能性があること、なぜなら、「空」の実践を「理念」にしている中小零細企業は、包括的で制限もない、いわば、天井は無限大に開かれることに気づき、自由自在に活動分野・内容を発想し実践することができること、また、働く人も、それぞれがやらされ仕事ではなく、内発的に取り組む仕事が間違いなく増え、人生を活き活きと送ることができ、生活者としてもこの方が断然しあわせになると独自の見解を語られました。

 勿論、「空」の実践を「理念」にすることは、言うは易く、行うは難しであることは、充分理解しているが、将来世代のために今始めないと、そして誰かがやらなければと思うので、自分自身がそれを率先してやらせてもらいたいと考えており、そして生命を「守る」のではなく、生命を「活かしあい」、魂が喜ぶ生き方が当たり前の世界になることを希求し、二人の子を持つ母として、彼らに、空」の実践を「理念」とする大事さを伝えられなかったこと深く懺悔するとともに、これからは、「宇宙―内―実在」として、「空」の実践、因縁生起いわゆる「縁起」の実践、「慈悲」の実践を自身の生きる活動指針とし、将来世代の子どもたちが笑顔で暮らせる世界/宇宙を創造するために、自分自身にできることはなんでもやらせて頂く覚悟だと結ばれ、参画者に、大きな共鳴・共感の輪が拡がりました。

最後は、日本理化学工業株式会社 大山 隆久代表取締役から、「すべての人間が空の自覚と実践を理念化して自身の人生を経営者として生き、国家大に、地球大に、世々代々発展する公共幸福の道の文化をつくる」と題してご発題頂きました。
はじめに 「なぜこの発表をしようと思ったか」として、まず自分の“思い込み”について3年前に京都フォーラムと縁が出来、その年に発表させてもらい乍ら、その後もほかの塾頭の方との理解のレベルの差を感じていて、そして、コロナ禍となり、和弁の会がスタートし、学ぶ機会が等しく始まったにもかかわらず、自分にとってはあまりにレベルが高すぎて理解できない、参加してもついていけずに終わると勝手に決めつけていたとのご自身の思い込みを述べられました。
次に“感覚”の変化について、昨年の6月に発表された斎藤直子先生のお話しから、「今学びにいかないと絶対に後悔する」との強い情動が湧き、翌週より和弁の会に参加し始めたこと、そして、”反発・反応” として、「宇宙―内―実在」として生きる、この世に生を受けた意義、経営者として真の理念に基づいた経営道を歩む自覚と実践により、自分が関係する現状からの脱却・発展を目指すべきとの思いに至ったと述べられました。

会社は、祖父が創業し自分は3代目で、黒板で使用するチョークをメインに製造販売する企業であり、その特徴は、社員89名の内、約70%の62名は知的障がいのある社員であり、障がいのある社員と共に60年以上、社業の発展のため、また、障がい者が世の中でさらに活躍できる環境を作るべく、会社としてやってきた活動内容を発信し続けて来ていること、また、障碍者雇用促進法により、44人以上雇用する企業は少なくとも1名以上の雇用がなければ納付金、罰金のようなものを納めなければならないこと等から、障がい者雇用の受け口はこの20年を見ても大きく広がってきてるいるものの、数合わせの現実もあり、今までのそのような流れをひっくり返して、本来の意義を考え行動していかなければ、将来世代に負担を押し付けてしまうという危機感から、「一社から」を超えて志を同じくする「共働態」により、障害という捉え方を根本から変えていくことを生涯かけて行っていくと、ご自身の決意を表明されました。

続いて、「マイノリティ=リアリティ」と和弁の会で教えられ、障がいのある方はマイノリティであり、世の中を変える大きなキーになるとの考えは、「ユニバーサルデザイン」で、障がい者が、現実を解決しようとしていることからの発想であると述べられました。
チョークの寸法検査をする際に、当社固有の治具/検査棒を使用し、検査の目的である条件内にあるかどうかを判別することで、この治具があれば、どの社員にもわかりやすい仕事となります。
マイノリティの方にわかりやすいことはマジョリティにとってもわかりやすいことになり、マイノリティの存在が、私たちマジョリティに生きやすさを気づかせてくれる存在だと受け取ってもらえると、そのマイノリティへの見方も変わり、障がい者の存在のあり方、見方をひっくり返すことになると改めて実感しているとのことです。

続いて、「いま問われていること 自分からの脱却」、「胎児の世界からの気づき」、「宇宙-内-実在」として大欲に生きる、について、それぞれを詳しくご説明頂いた後、「未来に拓く事業計画 キットパスを宇宙ブランドへ」として、大欲清浄へ向かう1つの手段として、ガラスやプラスチック、ホワイトボードなど、つるつるした面に描いて消せる固形マーカー/“キットパス”を通じて世の中をワクワクさせていきたいとの構想を述べられ、それは、三輪清浄、ものづくりする人・使う人・作ったもの自体もすべてが清らかになることを目指すものであり、絵を描くこと自体が人を活性化させ、人間らしさをも取り戻す、素晴らしい行為であり、子どもたちだけでないすべての世代に描く楽しさを取り戻す、“楽がき文化”の創造にもつながると述べられました。

障がいって何だろう?この問いをさらに深め、さらなる強みを知り、すべての人間が自身の人生の経営者として誇らしさを感じ、障がいが「ある・なし」を超え、雇用からの自立をさらに超えて、世の中を楽にしていく開発者になれる道、障がいのある方たちがもっと力強く生きられる道をともにつくっていくことで、地域社会が元気になり、そして、国家の元気にもつながり、これが地球大の世々代々発展する人間の道の文化になること、これを理念にして、社会化していくことで、障がいのある方々が生まれてきてよかったと思える世の中にしていくことをここに宣言しますと結ばれ、大きな感銘と感動の輪がひろがりました。

以上、いずれのご発題も自我・所有・分別の意識のピラミッドを超え、「宇宙―内―実在」として、空の実践、縁起の実践の理念を生きることによる、宇宙からの視点で世々代々の真の公共幸福、公共幸福世界を目指す深い内容であり、加えて、「顕現を目ざす共働研究の場」(発展協議)で、学識者先生方始め、塾頭方皆様方により、さらに一段とブラッシュアップ頂き、世界と共有出来る意義ある内容にして頂いたと深く感謝致しております。誠に有難うございました。

今一度、経済について受取り直してみますと、経済化と言えば、内部経済化であり、この内部経済化を強化すことにより、外部不経済化を引き起こし、地球環境問題の諸問題を引き起こし、また、内部不倫理化の道を進めることにより、ブラック企業となることや、計数だけに捉われた経営管理は、ブラック企業予備軍につながることは、自明の理であり、本来の内部経済化は、個人であれば、財布の出を抑え,入りを増やすこと、また企業経営においては、生産性を高めることであり、皆様も種々の局面で実感されていると思います。
この問題は、会計学そのものの特性が、あくまでも数字上の学、会計管理学であり、会計学では、経営者が求める経済活動や経営全体を活性化させることが出来ないという論理矛盾を持っていることを、道を求める私共はしっかりと認識し活動して行くことが何よりも大事であると考えます。

また、「欲」についても、自利(私欲)だけ、自分の利益だけを絶対化して見ると、互いに相対化して見ることで対立が起こり、それは、表層的な、皮相な次元の私欲で見ているからであり、絶えず自利、利他の両次元のより開かれた意識で行動することが求められます。

以上のように、現在、私共は、全てにおいて、A型構造の表層的な分別知の世界に生き、本来、人としてあるべき行動とは真逆の世界に生きてしまうことになり、これは明治維新後、脱亜入欧で、国力強化を目指し欧米の技術や思想を積極的にとりいれ、国の経済的物質的発展は出来たものの、思想面・文化面においては、“世々代々のまことを生きる”、“自利・利他で永続的発展”等の、古来、日本文化が持っていた特性が、近代化を急ぐあまりに失われた結果だとの思いに至ります。

そして、私ども一人ひとりに、今、問われているのは、真の自由を目指して「「空」の自覚と実践」、「無我の自覚と実践」を如何に自分自身の“生き方”にして行くことであり、「空の自覚と実践」「無我の自覚と実践」いずれも、自我中心、分別知の思考や行動を、しっかりと懺悔することで自我・我執を受け取り直し、生まれ変わったつもりで「宇宙―内―実在」として、宇宙大の絶対次元の大欲清浄、三輪清浄の世界を生ききることで、ともにひらく大きな新しい世界が広がり、縦横無尽に活動し発展の道が拓けるとの思いを強くしており、1200年前、空海は真言密教を興し、“即身成仏”を説き世に広めましたが、私どもは、新しい道をつくる “即身成道”として、そして “即身成道文化”として、新しい大乗化世界への“道の文化”を目指して参る所存です。

私どもは、以上の新しい道を自覚し、皆様方とともに実践して行くことが、「パブリック・ヒストリーを生きる」道を開くことになり、これこそが、世々代々に万人と共有できるものになるとの思いを強め、幅広く世界と共有し、世々代々のまことを生ききる公共幸福世界を目指して参りたいと強く希求致しております。よろしくお願い申し上げます。

令和4年(2022年)7月15日
                              (非営利)一般財団法人京都フォーラム
                                   理事長  矢 﨑 勝 彦 
追伸                           
7月23日(土)へのご出欠と、ご家族、会社関係者、お取引先の皆様方等、ともに新しい世界づくりを目指す幅広い方々のご参画者名を申込フォームにて、誠に恐縮ですが、7月20日(水)12時までにご回答願います。

第四回京都フォーラム申込(一般用)
https://forms.gle/QLiJTjDfMb9dttgY6

<ご参考>
 「<世界をめざす>京都フォーラム共働研究会」開催予定日(原則第4土曜日)
4月23日(土)済、5月28日(土)済、6月25日(土)、
7月23日(土)、8月27日(土)、9月17日(土)(第3土曜日)  
11月3日(木) 年次大会