【京都フォーラム】令和4年度第三回「京都フォーラム共働研究会」開催のご案内

各位
既にご案内の通り、令和4年度第三回「京都フォーラム共働研究会」を6月25日(土)、ZOOM活用にて午前9時~15時20分で開催する運びとなりました。

世界の現況(コロナ問題、ロシア(プーチン)によるウクライナ侵攻等)を目の当たりにしている私共に、改めて求められているのは何か、それは、古来言われて来ている「“空”の実践、そして“縁起”の実践」であると改めて実感しております。
私ども一人ひとりが、本来の生きるべき役割を忘却し、分別知による意識レベルで“自我や我執化”を生き、自己実現を目指して行動した結果が、現在の混乱や対対立紛争となっており、この“自我や我執化”の生き方を、単なる反省や受取り直しでなく、徹底的に/自我が一切残らないまでに“懺悔”し、すべてを“空”にすることにより、自身の内から湧き上がってくるエネルギーが浩然の気であり、一人ひとりが、その浩然の気をもつ「宇宙―内―実在」として、「宇宙大の絶対次元の大欲清浄」、及び「内発的/内発性」を思考や活動の主軸におくことを求められております。
私どもはそのようなことを踏まえつつ、国内外の人々と共働して、自己、組織、社会全体を革新して、永続的に発展する公共幸福、公共幸福世界に向けて、「世々代々の永続的発展」と「世々代々のまことを生ききる」活動を展開して参る所存でありますので、奮ってご参画頂きますようお願い申し上げます。

5月28日(土)開催の「第二回京都フォーラム共働研究会」は、冒頭、服部塾長から基調講演として、第一回に引き続き「メシア思想と覇権主義」についてさらに深めて頂きました。
まず、世上言われている「国際法」とは、憲法のように、一つのまとまった法律ではなく、「パリ不戦条約」、「ジュネーブ条約」「化学兵器禁止条約」等々、国と国とが結んだ国際条約の集合であり、今回のウクライナでの民間人の大量虐殺は「国際法」に言う戦争犯罪であること、そして、誰も口にしないが、歴史的には、1945年3月10日の10万が死亡した東京大空襲はじめ、終戦末期の日本の主要都市のほとんどを灰燼に帰した空襲、さらには広島・長崎への原爆投下による無辜の民間人の記録的な犠牲等は、国際法上の戦争犯罪あることを忘れてはならないと話されました。

さらに、今回のロシアによるウクライナへの侵攻は、1979年のソ連によるアフガニスタン侵攻と同一次元に立っていること、すなわち、「パン・スラヴィズム」というものが、海を求めた歴史的な動きであって、クリミア半島への道は地中海への道へ、そしてソ連のアフガニスタン侵攻は、アフガニスタンから今のパキスタンを通って、インド洋へと、海をもとめる同じ次元の侵攻であることや、ルーシ(RUS)」という言葉について、先生の定義では、スラブ民族による救いの新世界を意味し、「メシア思想」がその中にある民族の連合体と教えて頂きました。
そして、その「メシア思想」は、本来は救い主の思想であるはずなのに、たやすく覇権主義に転じるおそれがあり、今、ロシアの、我こそが救い主であり、同朋であるウクライナを解放するのだという言動に覇権主義を見ることが出来、アメリカ、中国、さらに、日本についても覇権主義に陥っていないか、たえずウオッチして行く必要があること。
そして、覇権主義は、我々が発信し続けている“まこと”の思想と相いれないものであり、日本から、世界に対して“まこと”の一石を投じ、呼びかけたいとの思いは、私が長年の国際社会での仕事の中で実感してきたことであり、矢崎理事長ともその思いを共有しており、それは、“まこと”で当たれば世界は開けると確信しているからです。

国際社会というのは、私共一人ひとりにとっての鏡であり、行った先々で種々の思いを感じられたら、それは自分の顔が映ってるんだと思って欲しいこと、これは、私が30数年の国際機関での仕事の中で得た経験からの実感であり、最後に、「京都フォーラム」は、世界に向けて「ダイナミックハーモニー道文化」を発信する基地にならなければならないと結ばれ、私共への期待の大きさを表明され、国際的に活躍された広い視点からのお話に、参画者一同に深い感銘と感動の輪が拡がりました。

続いて、私から、「「天動説から地動説、そして“情動説” (宇宙-内-実在)の時代へ。
経験としての人間の道と文化/一老人の「老年期超越」気づき始め」として、①天動説から地動説、そして“情動説”、②「宇宙―内―実在」の自覚と実践の時代へ、③「情動」の場所的弁証法的転回、④経験としての人間の道と文化に、を中心に話をさせて頂きました。

冒頭の「天動説から地動説、そして“情動説”」について、「天動説から地動説」は、「コペルニクス的転回」として従来からそこだけが特筆大書されて来ており、天体がどう動いているかも大事ではありますが、我々自身がどう考えどう行動するのか、人間の情動だけでなく生きとし生けるものすべての「情動」が一番大事であることを今まで見落として来ているのではないかとの反省から、2020年に、「進化と深化」の深める方の深化に情動が働いているとの話を致しましたが、改めて、自分の情動を如何に高次化して行くかということから今回、「宇宙―内―実在」にたどり着いた次第です。

20世紀最大の哲学者ハイデガーの言った「世界―内―存在」は、今はもう、当たり前と捉えられており、皆、世界を意識して、自己がどう生きるのか、その自己の生き方を「自己実現レベル」で求めることで、大はプーチンから、小はGAFAの経営者の出現に繋がり、さらには我々自身の中にも、その傾向があるということが自覚できると思います。
「世界―内―存在」というのは、世間知の中の分析知、分別知であり、そして神だけが尊いと神を崇めてきた時代から、神が自分の中に実感できるような時代、神仏が実感できるような自覚と実践が必要な時代になったのではないかとの思いから、私たちは「世界―内―存在」がゴールではなくて、「宇宙―内―実在」、もっと言えば、私たちは大宇宙の中の実在であり、我々人間は、宇宙内実在の小宇宙の一つだというとらえ方をすることで、大宇宙と小宇宙が一つになる「梵我一道」の世界がそれぞれの生き方になること、まさに私たち自身が「宇宙―内―実在」を自覚することによって、自分自身の心身はおろか、すべてのことに対して自由自在な統合主体として神仏への道を歩み続ける存在になることの重要性を実感しており、このことを万人が気づくかどうかが非常に大事な点であり、大きな分かれ目になると考えております。

「情動」の「場所的弁証法的転回」に関しては、西田の弟子で、戦前にNHKのラジオの『般若心経講義』で大好評を博した高神覚昇さんが密教の「即身成仏」を、西田の「場所的弁証法」を活用して、非常に分かりやすくそうして論理的に、弁証法的に解き明かして頂いております。すなわち、ヘーゲルやマルクスの弁証法が、いわゆる同じ次元から一次元アウフヘーベンするもので、これは、西田の言葉によれば「過程的弁証法」/プロセスの弁証法で横軸でしか人間の関係を見ていないいわば“エスカレーター”に対し、「場所的弁証法」は、空海の『十住心論』を使って、縦軸で同じ場所でどこまでも自分自身を高め続けるいわば“エレベーター”として、「即身成仏」を超えて「即身成道」の大事さを非常に分かりやすい論理展開で説いて頂いており、私自身も、「成仏」よりも「成道」(じょうどう)という読み方で読むほうが、まさに一人ひとりの情動が人間としての道になるということを、しっかりと共有できると共感しております。
また、高神覚昇さんの「密教概論」を読むと、まさに身体感覚的に密教が体解でき、自分の情動の動きが“人間の成る道”としての「成道」へ高められるということを強く実感じており、それをインドの植林プロジェクトの事例で話をさせて頂きました。

私は、このプロジェクトは、“三輪清浄”の大変わかりやすい事例(仏教でいう無分別智の行いで、布施する人、布施するもの、布施を受け取る人、三者それぞれが清浄になる)であり、ポイントを申し上げますと、まず、このプロジェクトの資金面は、当時郵政省の「国際ボランティア貯金」制度の活用と、フェリシモのお客様の「100円基金」の支援により賄われ、その取り組みは仏教の伝来と象の寄贈に対する“恩返し”であり、結果として万物のいのちが行き交う場となった事業であります。

前回の案内でも紹介しましたので、詳細は省略しますが、写真にありますように、伐採によって禿山(岩山)となり、すそ野も砂漠化した山野を“砂漠から緑なす山への回復”という、当時、破天荒とも思える目標を掲げ、30年前の1992年、インドジャルバグダへ乗り込み、植林を開始しました。
「沙漠化」と「緑化」について、「沙漠化」というのは、我々がA型で自分の欲をどんどん拡大していくことにより、我執化の集約として全体が沙漠化するのであり、インドの例はA型の一番上まで行ってその地域そのものが全部ダメになってしまった例であり、それに対して私共は、人々の物心両面の豊かさに至る「緑化」という植林を始めた次第です。

現地の人々の一人ひとりの努力や共働態としての活動によって幾多の困難と紆余曲折を超え、30年を経て写真のような緑なす山への回復が実現しており、最初からともに緑化を目指してきた現地の責任者から、「“象が帰ってきた”、“片道20キロ、往復40キロに及ぶマンゴ街道の出現”等の表面的な事象の変化に加え、土壌の質の改善や保水効果により畑が出来、農作物栽培が可能となり、森による空気の浄化等々、抜本的な地域の環境改善がなされたこと、そして何よりも、ガンジーや、タゴールも出来なかった農民一人ひとりの自立/精神性の自立による地域の再生、そして、生活水準の向上等により、地域全体の活性化や発展が実現して来ている」との報告を受け、大変感銘を覚えました。
密教がたどり着いた「情動の成道化」を、より高次に、いわゆる経験として、人間として、そして道の文化をしっかり高めていくことが大事であり、私たち自身が、心の沙漠化から脱し、内発的な大欲清浄の森づくり、山づくり、そして、地球全体の森づくりへと、目に見える形の豊かな森づくりにより公共幸福世界を目指したいとの思いを強くしていること等を述べ、話を終わらせて頂きました。

続いて、ご発題の部は、まず、最初に、株式会社cd. 代表取締役/一般財団法人PBPCOTTON 葛西龍也代表理事から、「包括的全体善的無限のひらけに向けた三輪清浄の即身成道のプラットフォームに向けた「道半ば」と題してご発題頂きました。
インドのコットン事業の展開を中心に、新しく社長となって事業を進める中、目指している目標と現実の壁に悩みながらもみんなの幸せをめざして奮闘している現状を発表頂き、「顕現を目ざす共働研究の場」で種々の激励や助言等で、将来に向けて大きな力を得られており、今後の発展が期待されます。

続いて株式会社レスイズモア 西村徹也CSOより、「<“世々代々の梵我一道”を生きる実践の無限大の可能性>〜一人ひとりが宇宙内実在の絶対次元の大欲清浄の道と文化づくりの主人公へ〜」と題し、ご発題頂きました。
大学を出て3年間一般企業に就職し、5年間東京銀座で美容師として鍛錬し八尾の駅裏のテナントビルB1で創業し、38年となり、大阪、東京、シンガポール、ロンドン、香港、台湾、上海と店舗数、エリア、社員数も増え、創業時の目標、私心からの“自己実現”には近づいているものの、これは、「小欲の自己実現」であると懺悔していること。
今後、世々代々の「宇宙―内―実在」の大欲清浄の道を歩み、その文化を日本から世界へ伝播することで、理想の幸福世界実現への道を歩みたいこと、そして、国家百年の大計である教育について、これまでの“脳感覚の教育”から“心の教育”へ転換すべきとの問題意識を持っていること等を中心に発表されました。
「顕現を目ざす共働研究の場」で、更なる進化(深化)に向けての種々の質問コメントがあり、私からも、「西村さんのアラヤシキにあったものが、初めて言葉になったと評価させて頂きましが、 “新しい出発点に立った”との発表者の思いに、改めて参画者の感銘の輪が拡がりました。

ご発題の最後は、荒木一彰京都フォーラムDHC道総研主任研究員より、「あらゆる場のいのちが宇宙内実在を世々代々生きるダイナミックハーモニー文化道事始め」と題し、ご発題頂きました。
冒頭、何を発表すべきなのかを徹底的に自己内対話をした結果、自分自身が体得してきた弁証法が、「過程的弁証法」だと気づき、西田幾多郎のいう「場所的弁証法」をどのようにして深められるかという問いが立ち、過去の先人たちの考え方を否定的に深める過程的弁証法を超えて、地球という場のはたらきから深堀していけることを発表したいとの表明があり、1.今問われていること、2.個々の「求道」を超える、3.ダイナミック・ハーモニー文化道を開く、4.歴史的瞬間からの始動についてのそれぞれについて、自身の深く広い学びと将来に向けての思いを中心に多面的に発表頂きました。
特に自身が主任研究員を務めるDHC道総研の当面活動するプロジェクトは、一年の計「樹穀」は中国涼山の「信頼農園」プロジェクト、十年の計「樹木」は、インド西ベンガル州の「植林」プロジェクト、百年の計「樹人」は中国貴陽の「陽明書院」プロジェクトであり、特にインドの「植林」プロジェクトは、禿山(岩)が、知地域住民の努力により30年かけて緑なす山となったが、それを成功事例のみとして捉えず、ダイナミック・ハーモニー文化道としては、あえて言えばスタート地点に立ったとみて、世界と共有していきたい等の意欲的な発表があり、「顕現を目ざす共働研究の場」でも、DHC道総研の今後を期待する発言が多く、世界に向けて大いに活躍してもらいたいとの思いを強めた次第です。

ご発題は、それぞれが「宇宙―内―実在」として世々代々のまことを生ききる充実した内容であり、加えて、「顕現を目ざす共働研究の場」(発展協議)で皆様方により一段とブラッシュアップされ、真に意義ある内容になったことを深く感謝致しております。誠にありがとうございました。

経済合理性を追い求め分断、分裂した近代化により、迷妄の世界に生きる人々の意識・行動、そして、機能不全に陥っている社会構造等を、一人ひとりが、「“空”の実践と“縁起”の実践」を主軸に、「宇宙―内―実在」として、また、「場所的存在」として2050年完成予定と発表されている“宇宙エレベーター”で宇宙まで突き抜け、俯瞰逆算して全体善への経営道を目指すことや、「宇宙大の絶対次元の大欲清浄」を目指すことにより、「ダイナミックハーモニー道文化」をそれぞれの地で確立させ、世々代々永続的に進化し深化する「宇宙大の世々代々の公共性」「宇宙大の世々代々の公共幸福」実現への道を、皆様方とともに歩み、世界に向けて発信して参りたいと強く希求致しております。よろしくお願い申し上げます。

令和4年(2022年)6月16日
(非営利)一般財団法人京都フォーラム
理事長  矢 﨑 勝 彦
追伸
6月25日(土)へのご出欠と、ご家族、会社関係者、お取引先の皆様方等、ともに新しい世界づくりを目指す幅広い方々のご参画者名を申込フォームにて、恐縮ですが、6月23日(木)12時までにご回答願います。

一般用申込フォーム
https://forms.gle/hvhUaGgwiBiJxuX88

<ご参考>
「<世界をめざす>京都フォーラム共働研究会」開催予定日(原則第4土曜日)
4月23日(土)済、5月28日(土)済、
6月25日(土)、7月23日(土)、8月27日(土)、9月17日(土)(第3土曜日)
11月3日(木) 年次大会

以上