【京都フォーラム】令和4年度(2022年度)第二回「京都フォーラム共働研究会」開催のご案内

各位
既にご案内の通り、令和4年度第二回「京都フォーラム共働研究会」を5月28日(土)、ZOOM活用にて午前9時~16時で開催する運びとなりました。
皆様方とともに、一人ひとりに通底する“内発性”を判断や行動の起点に、「二重の見」(分別知の次元、「無分別智/行」の次元、その双方を認識し行動する)や、「アラヤ識の双面性」(唯識:妄識/大乗起信論:和合識)を体認自得しつつ、公共幸福、公共幸福世界に向けて「世々代々の永続的発展」と「世々代々のまことを生ききる」活動を世界に向けて展開して参る所存でありますので、奮ってご参画頂きますようお願い申し上げます。

4月23日(土)開催の「第一回京都フォーラム共働研究会」は、冒頭、服部英二塾長から基調講演として、「メシア思想と覇権主義」と題しご講演頂きました。
現在、世界の耳目を集めているウクライナを巡る悲惨な戦いについて、世界の論説は、主にロシア(プーチン)とウクライナを巡る軍事状況と経済(制裁)に限られて報道されておりますが、先生は、これは、本来、世界を救済する思想である「メシア思想」(ロシア正教)と「パンスラヴィズム」と結びついて惹起した戦いであるとして、関係する宗教史、民族史の観点から、その背景を覇権主義を主軸にご説明頂きました。
私共にとって、改めて拝聴する宗教と民族の覇権主義に関する永い歴史の経緯とその複雑な深い内容について,また、メシア思想、覇権主義等が、世々代々に亘り存続し続け、現在の紛争の原因になっている事実等を詳細に学ばせて頂き、参画者一同、国際的に活躍された広い視野と深い見識からのお話に、深く感銘を覚えた次第です。
(次回に残りをご教導頂く予定です)

続いて、私から、「「老年期超越」気づき始め」と題して、塾頭諸氏と日々昼休みを活用し、「和弁(W/A・X)の会」でともに学びあっております学術的な相対主義を超え身体感覚や自然の情動による、“宇宙大の絶対次元の大欲清浄=内発性(内発的)”を基盤にした「二重の見」、「双面性」、「経営者道」を中心に所信を述べさせて頂きました。まず、表題の「老年期超越」につきましては、京都フォーラム10周年で、心理学者ユングの説く38歳前後に起こる空虚感「ジェネレィテイビィクライシス」/「中年の危機」について、発達心理学者エリック・エリクソンのご子息にも参加頂いて学びあったことや、「私」から「公共」へと自身の意識と行動を存在の次元転換させることにより、「中年の危機」をバネにして偉大な事績を残した国内外の多く偉人の輩出を改めて思い起し、また、 エリック・エリクソンが、「老年期超越」の大事さを説いていることより、老年期こそ経験としての無分別智/行の再生産へのとらわれのない自由な発想と行動が可能であるとの思いから「「老年期超越」気づき始め」」とさせて頂いた次第です。

京都大学教授の西平直先生による西田幾多郎、井筒俊彦両先生の哲学・思想についての深い洞察による「二重の見」、「双面性」の学びに関して、「二重の見」は、ご承知の通り、一般的にいえば、「分別知」と「無分別智/行」があり、「分別知」は、我執化、所有化の次元、いわば形而下の次元で種々対立を生む一方、「無分別智/行」は内包智、内発智としてすべてを内包化し、内発的な行いとして進化(深化)する次元、いわば形而上の次元でありますが、一方に偏らず双方を認識し行動することの大事さを説かれており、同様に「アラヤ識の双面性」についても、唯識は妄識/大乗起信論は和合識、双方の次元を認識し行動することの大切さを学ばせて頂き、私共は、お互いにこの訓えを日々の活動にしっかりと活かしていくことが重要である述べさせて頂きました。

一方、先の鶴見和子先生が、社会学者から人間道へと人間発達の道を身をもって示された渾身のご講演が、お亡くなりになる2年前でしたので、これをもっと早く、人間が生まれる前からの気づきとして共有するべく、一人ひとりが、三木成夫先生の『胎児の世界』について内発的な身体感覚、自然の情動からの学びにより、全ての人間は、母親の胎内で一対の受精卵が十月十日で赤ん坊となって産まれることは、国籍、民族、肌の色等全て関係なく人間として皆全く同一であることより、一人ひとりが人生の主人公であり創業者であることを自覚し、全体善を目指す人生の経営者道を歩み、宇宙大の絶対次元の大欲清浄を生き抜くことが求められていることを、しっかりと体認自得して、お互いに日々励んでいくことの大事さを学びあっております。

そのような観点から、真言宗の開祖、弘法大師空海は、「行」の人であり、「創業者」であり、「経営者道を生き抜いた経営者」であり、没後1200年近く経った今なお、私共に如何に生きるべきか、「宇宙大の絶対次元の大欲清浄」の生き方の範として具体的に導いて頂く比類なき偉大な存在である、と尊崇している思いを述べると共に、加えて、“内発性”及び「二重の見」と「双面性」、「人生の経営者道」を、私共が陥っている現状からの脱却への大事な原点にしたいとの志向を「「老年期超越」気づき始め」として述べさせて頂きました。

続いて、ご発題の部は、まず、最初に、「一人ひとりが、より深層へ内発性を深め続け、生き続けていく道を世々代々の文化に」と題してWeddingプランナー、ハッピー尾崎の尾崎正尚氏にご発題頂きました。
一人ひとりが内発性を深め続け、その内発的な生命のはたらきの大切さと、内発的存在として生き続ける道に関して、まず、「内発性とは何か」について、自我と神の双面的な「私」に気づき、自我としての「私」を懺悔して、神としての「私」を顕現させる/神としての「私」に近づいて行くための「はたらき」であるとの受取り直しから始まり、「家族から世界の内発的な気づきへ」、「世界と共有したい内発性の可能性」、「内発性と体認自得」、「家族と育む体認自得の道」、「内発的胎児の世界」「内発性としての「いのち」を活かしあう道」と、各項目について自分自身の思いや経験を述べられた後、「内発性」を体認自得する道を、個人から家族、社会、さらには、宇宙大迄に拡げていき、“みんなの幸せがわたくしの幸せ”となる社会の実現への「世々代々の未来が喜ぶプラットフォーム」づくり構想まで、その渾身のご発表に、参画者一同は“内発性のもつ力の大きさ“と、改めて”大欲清浄”を再認識すると共に、自分自身の今後の生き方について、受け取り直す貴重な機会となりました。

続いて、淡海ふれあい病院の岩崎良昭内科部長から、「病気を治す医業から、世々代々生命を活かし合う人間としての王道を歩む。途上国への自主自立型支援から始まる、一人ひとりの生命を活かし合い地球の命を活かし合う道を世々代々の文化に」と題してご発題頂きました。
先生ご自身が、森永ヒ素ミルク中毒児に認定され、幼少時より、生命に不安を感じていたことより、医師を目指し、医学部3年の時に、東洋医学研究会に入り、部長より、「上医:国を治す」「中医:人を治す」「下医:病を治す」との格言があるが君は何を目指すかと問われ、「中医」と答え、爾来それを目指して活動して来ているとご自身を紹介され、現在、コロナ問題が惹起して、各国ともワクチン接種に注力して来ているが、専門家として本来的には、自己治癒力、自己免疫力強化に努める必要があると述べられました。
今回の新型コロナウイルスの世界的蔓延で、貧富の差が拡大しており、ただ終息すれば良いと願うのではなく、先進国の経営者が、世界経営の視点を持って、今後、多くの人々を救い、一人ひとりが自立する道を拓き、この混迷している地球を救うという大善が出来るかどうかが、我々に突きつけられている命題であり、表題の通り、途上国への自主自立型支援から始まる、一人ひとりの生命を活かし合い地球の命を活かし合う道を世々代々の文化にして行こうと提唱され、今後、内外の人々との共働活動による世界大の展開が期待されております。

ご発題の最後は、株式会社ソ・ラボ 山田将史 代表取締役からの「一人ひとりが内発的パブリックイノベーター 万人が「内発性」を自覚的に実践し「大欲清浄」する和合の社会を目指して」と題して、発表頂きました。「一人ひとりが主人公」という理念を掲げて約20年、企業向けの組織活性コンサルティング事業を行ってきて、「人に喜ばれお役に立つ喜び」を実感してしていたものの、7年前に「子ども向けキャリア塾(ミラコラ)の事業を始め、子どもたちと触れあうようになり、純真な心からの「問い」をたくさん受け、その問いに真摯に向き合うことで、違う感覚/自分が社会のためと思っていたことは、単なるエゴイズムだったのではないかとの思いが湧いてきていると、まず、現在のご自身の心境を語られました。
それを踏まえ、ともに真の公共幸福の道を目指して行く検討項目として、(1)できる?できない?という二元論へのとらわれ、(2)「自我」と「神の生命」の双面性、(3)胎児の世界から受け取り直す、(4)内発する自己免疫力を受け取り直す、(5)「内発性」の自覚と「こころざし」の探求、そして大欲清浄へ、(6)「和合の共働態」を超えて!の、それぞれについて詳細に説明され、最後に、ともに志を一緒にする機会創出の場が「志の森パブリックイノベーション」プラットフォームであり、個別のパブリックイノベーターを超える、内包する和合の共働態としての「内発的パブリックイノベーター」として宇宙大の絶対次元の大欲清浄を目指していきましょうとの呼びかけがあり、その未来の公共幸福に向けての熱いこころざしに、参画者の共感共鳴の輪が拡がりました。

以上3名の方にご発表頂きましたが、それぞれのご発題が、意義深い本源的な内容であったことに加え、各発題に対する参画者各位からのコメントや質問が的確であったこと等より、発題の意義・内容がさらに高次化されたことを大変嬉しく思った次第です。
本年度第一回「京都フォーラム共働研究会」から、従来の方式を変更し、各発題の後、すぐに「発展協議」として、各発題の内容をどうしたら世界の人々と共有していけるか、或いは永続的に発展させていくか等に関して率直なアドバイスやご意見を求める「場」を初めて設けました処、塾頭方は勿論のこと、ご参画頂いている諸先生からも積極的に大変貴重なアドバイスやご意見を賜り、双方向の対話・質疑応答で発題内容がブラッシュアップされたこと、加えて、参画者各位から「大変良かった」と評価して頂きました。今回の経験を踏まえ、今後は、ご参画頂く学識者先生にとって、経営者にとって、また、一般の方々にとって、それぞれの学びを生きた深い学びにして頂くために、新しい場「顕(・)現(・)を目指す共働研究の場」として、共働研究内容の更なる進化(深化)を目指す所存でありますので、ご参画の上、奮ってご提言やコメントを賜りますようよろしくお願い致します。

また、ご高承の通り、本年2月22日(午後)2時22分22秒に、塾頭の方々や、中国、インド、アメリカを始め海外関係者にもご参画頂き『ダイナミックハーモニー道文化総合研究所』(略称:「DHC道総研」)を立ち上げ、4月から、「DHC道総研共働研究会」として、“世々代々の公共幸福世界づくり”を目指す活動を広く世界と共有し展開して行くべく、「一年の計:「樹穀」」としての「中国 涼山信頼農園プロジェクト」、「十年の計:「樹木」」としての「インド 植林プロジェクト」、「百年の計:「樹人」」としての「中国 貴陽陽明書院プロジェクト」に関する研究・受け取り直しを始めております。

一例として、「十年の計:「樹木」」の「インド 植林プロジェクト」については、山全体が“はげ山”となり、象も姿を消してしまっていたインド西ベンガル州プルリア地区ジャーバグダ村の自然を回復させる遠大な目標を立て、1992年から植林プロジェクトに取り組みました。
このプロジェクトは、私自身のインドへの二つの恩返しプロジェクトとしての強い思いから出たもので、その一つは、インドから“日本への仏教の伝来”に対してであり、今一つは、終戦後間もない昭24年にインドのネール首相から“上野動物園への象の寄贈”に対してであり、特に象については、戦時中、上野動物園の猛獣類が薬殺され、戦後の上野動物園は象やライオンのいない動物園であったことから、戦後民主主義教育の先駆けとされた小学生による「子供議会」で、台東区の“子供たち”の「上野動物園に象を!」の純真で熱い願いが、“大人”である東京都やインドのネール首相の心を動かし、実現したもので、小学校3年生の私は、大変感激し、いつの日か恩返しをしたいとの思いをずっと持ち続けておりました。

4月27日の「DHC道総研共働研究会」で、植林をともにしたタゴール協会のナンダラル氏から、当植林プロジェクトについて報告があり、その中で、最初からこのプロジェクトに参加されご指導を頂いた牧野財士先生が、 2010年1月に現地事務所で急逝され、私もその場で、先生の多大なご貢献になにか応えたいとの気持ちより、その植林した山を「マキノヒルズ」として政府発行の地図に残せないかと示唆しました処、ナンダラル氏ら現地スタッフの懸命のご尽力により種々の懸案を乗り越えて1年後、政府発行の公式地図に従来の名前に代え、「マキノヒルズ」に正式に変更され、牧野先生のお名前が世代を超えて残ることになったと報告されました。

また、当時、マンゴーの樹が行く先々のそれぞれの村に一本だけ残っていましたが、町から「マキノヒルズ」に向けての道路のわきにマンゴーの樹を植え、マンゴー街道として将来世代への贈り物に出来ないかと話をしたところ、現地の人々の多大なご努力により20キロの“マンゴー街道”の完成となり、外来者が “緑なす丘”に象を始め諸動物が森へ帰ってきた姿を目の当たりにして驚き、現在は、灼熱の太陽を遮る天蓋としての休憩所となり、また、現地の人々は自分達がジャーバグダの丘の一部であると感じるようなり、さらに、果物の王様と言われるマンゴーが、大阪の中央環状線のように広く中央分離帯で仕切られた往復40キロに及ぶ道にたわわに実る観光スポットとなり、映画場面としても使用され、大学のバクシ教授は「アショカ王の道」と名付けられる等々、その結果の大きさを報告して頂きました。

このように、一般の「民衆」による地域や社会の改革・変革は、貧しい農民/いわばマイノリティーとして生きて来た人々による小さな取り掛かりから始まるケースが殆どですが、インド植林プロジェクトに見られるように、公共幸福を目指す“内発的な世々代々のまこと生ききる”高い志に基づくたゆまぬ努力によって、将来世代に繋がる大きな果実・成果を産むことができた意義ある事例であり、今後の私どもが世界と共有を目指す「ダイナミックハーモニー道文化」活動は、一人でなく共働態として実践する力の大きさをともに活かしあいながら、更なる国際的な交流への発展の道を目指して参りたいとの思いを強く致しております。

経済合理性を追い求め分断、分裂した近代化により、迷妄の世界に生きる人々の意識・行動、そして、機能不全に陥っている社会構造等を、一人ひとりが、生まれる前の母胎内での内発的な情動による『胎児の世界』からの学びで、人間すべてが皆同じ経験を持っている“宇宙内存在”として“宇宙大の絶対的間柄的存在”であることを自覚し、”内発性”を基本に「二重の見」、「アラヤ識の双面性」をしっかりと把握し、全体善への経営道を目指すこと、また、「宇宙大の絶対次元の大欲清浄」を目指すことにより、「ダイナミックハーモニー道文化」をそれぞれの地で確立させ、世々代々永続的に進化し深化する「地球大の世々代々の公共性」「地球大の世々代々の公共幸福」実現への道を、皆様方とともに歩み、世界に向けて発信して参りたいと強く希求致しております。
よろしくお願い申し上げます。

令和4年(2022年)5月16日

(非営利)一般財団法人京都フォーラム
理事長  矢 﨑 勝 彦
追伸
5月28日(土)へのご出欠と、ご家族、会社関係者、お取引先の皆様方等、ともに新しい世界づくりを目指す幅広い方々のご参画者名を申込フォームにて、恐縮ですが、5月24日(火)12時までにご回答願います。

一般用申込フォーム
https://forms.gle/sAXNv3v4ZEiWPSSUA

<世界をめざす>京都フォーラム共働研究会」開催予定日(原則第4土曜日)
4月23日(土)済、
5月28日(土)、6月25日(土)、7月23日(土)、8月27日(土)、9月17日(土)(第3土曜日)
11月3日((木) 年次大会