令和3年度第六回京都フォーラム共働研究会開催の件(令和3年10月2日(土)9:00~18:00 ZOOM活用)

各位 

既にご案内の通り、10月2日(土)、令和3年度第六回京都フォーラム共働研究会を開催致します。皆様方には、ご多忙とは存じますが、奮ってご参画下さい。

さる8月28日(土)開催の第五回京都フォーラム共働研究会は、世界に向けて発信すべくさらにバージョンアップしたお二人の発題があり、後藤社長からは、現状のコーヒー豆の生産・流通・値決め等に対する世界規模での改革について/コーヒー豆の生産が原住民の奴隷労働によって行われた過酷な生産現場の歴史や、従来、大規模企業でしか出来なかったコンテナ単位(1か国、18t、300麻袋)のコーヒー豆・原材料取引を、オンラインプラットフォームの構築によって農家単位(1か国、60Kg、1麻袋)でダイレクトトレード出来る革新的方法への変更等について。
また、葛西社長からは、インドでのオーガニックコットンの栽培支援について/元々、自分が企画したTシャツの売上の好調ぶりに天狗になっていた折、原料である綿花を栽培する農家の、自殺者が出るほどの生活の困窮状態を始めて知り、有機農法によるオーガニックコットンの栽培支援による生活改善、児童の就学支援等、地域全体の生活文化の向上に向けた、国境を超えた地道な努力の実践活動について、それぞれご発題頂きました。

また、新発表者各位からは、自分自身の過去の我執化の人生や経営を懺悔し、これからの人生や経営を受け取り直した、ご自身の変革の歩みと経営の歩みについて、自分自身、家族、地域、さらに、社会全体の公共幸福をめざす真摯な取り組みについてご発題頂き、参画者に大きな共感・共鳴の感動の輪が拡がりました。

冒頭に、服部英二(財)京都フォーラム・至誠塾塾長から、基調講演として「この危機を人類文明の転機にーーーこの夏の出来ごとから学ぶ」と題してご講演頂き、今夏の短期間に起きた種々の重大な事象に関して、その本質的な内容をご教導頂きました。

先生は、前回、7月開催の第四回大会で、世界の論理の中核の問題として、「排中律」に対して「包中律」があり、次回の第五回大会では、「包中律」について講演の予定と申しておられましたが、この夏、あまりにも多くの重大な事象が発現して来たことより、これらに関し、先生ご自身の感じられたこと、思考されたことをご開陳頂き、その時宜に合った幅広く深い内容のご講演に、参画者一同は、改めてそれら事象の本質を学ばせて頂いたと、深く感謝致しております。

ご講演の主な項目は、「文化を変える」、「コロナ問題」、「東京オリンピック」、「世界を襲う異常気象」、「頻発する世界の異変現象」、「市場原理主義の大罪」、「自然との離婚」、「人類史における価値の転換」(存在(to be)
から所有(to have)に)、「神なき世界で倫理は可能か?」、「見えざる手/見えざる手は神の手に非ず」、「山川草木悉有仏性」、「地球システム=大自然の一部としての人間存在論」、「倫理資本主義の可能性」、等々、多岐に亘り、大所高所より各事象の本質やポイントを大変わかりやすくご教導頂きました。

最後に、世界の各地で起こっている諸現況に鑑み、今こそ、東西の叡智を結集すべき時が来ており、永年に亘り世界を見て、世界に参加して活動して来た京都フォーラムは、その一つの核にならなければならないと鼓舞して頂き、塾頭始め参画者一同、明日に向けて、その果たすべき役割の大きさに身の引き締まる思いを強く致しました。

続いて私から、「内包的潜在能力(ケイパビリティ)としての、神・仏のまことを生きる/経験価値の自覚と実践の道/文化の道」と題して発表させて頂きました。

冒頭、タイトルについて説明し、「内包的」は、言語学者井筒先生が到達された一つの刮目する概念で、「「ロジック」:「外延的」」の反対概念としての、「「マジック」:「内包的」」であり、私たち一人ひとりは、それを内に含み、また、内に包んでおります。
私自身、今まで、ずっと「内発的」と言っておりましたが、この「内包的」は、服部先生が述べられた、天使も悪魔になるという例え通り、双面的であり、内包的かつ双面的な潜在能力/ケイパビリティを私たちは持っておりますので、この潜在能力を絶えず、「神・仏のまことを生きる」という、その強い思い・経験価値こそを進化させる自覚と実践する道として精励することで、皆様と共に新しい文化つくり出す道にして行きたいとの思いを込めてタイトルとさせて頂いた次第です。

私共は、目下、「和弁(W/A・X)の会」で、インドにおいて、詩人タゴール、政治家ガンディーと並び、近代インド思想の巨星と言われる思想家「オーロビンド」の名著/玉城康四郎訳『近代インド思想の形成』を、塾頭諸氏等と学びあっておりますが、このオーロビンドの卓越した深い思想は、一言で言えば、あらゆる対立を超える「梵我一元」の世界を説くものであり、その大事なキーワードとして、「無知の陥穴」、「没意識」、「神の生命(いのち)」がありますので、以下皆様方と共有させて頂きました。

「没意識」は、普通「没意識」はあまり良くないと思われ勝ちですが、今般、「潜在能力」を付け加え、「没意識の潜在能力」したことで、これが我々の言うWであり、このWというのは、至高の「超意識」が逆さまの形で再現されたものであり、山の形が反対に映っている逆さ富士を連想して理解できる、至高の本当は一番尊い、山の頂が水に映ってる姿(逆さ不二)であり、結局、そこが、「没意識」の持つ一番大事なポイントとなっております。

「神の生命(いのち)」は、オーロビンド本人が『神の生命(いのち)』をタイトルとして、別途、大作を上梓しておりますが、この「神の生命」に「へ」を付けました。これが我々の言うXであり、オーロビンドは、神は唯一の不動にして永遠の「聖なるまことの現実」であると説いております。
このXは、下のほうがジレンマ、上のほうはテトラレンマであり、それは「包中律」となり、全部を包みこみますが、この唯一の不動にして、永遠の「聖なるまことの現実」が、自分の内に働いている「根本無知」、「根源無知」の自覚が我々にあるかないか、それが、「無知」、「無明」で生きるか否か、私たちの生き方の大きな分かれ目になると考えております。

一方、皆様方とともに進んで参りました京都フォーラムの過去からの歩み、活動の命題を中心に振り返りますと、京都フォーラムの草創期に、親しくご指導頂いた筑波大学の教育哲学の小野慶太郎先生の、『主体的自然の探求』から、「問題意識の教材化」を、続いて、同じく『人間形成における教材選択の視点』から、「情動の教材化」を活動の命題とし、また、博多の仙厓の「□△〇」のについては、四角は問題意識、△は坐禅してる姿であり、図示されてはいませんが、私は、▽は、座禅により能動性が出て来た状況であり、そして〇はまさに禅によりひらかれた心境を現していると解釈し、それは「問題意識の教材化」、「情動の教材化」に繋がり、さらに、服部先生の塾長ご就任の第一声が、「まことは世界語」であり、その場の感動と、それを一過性でなく、生きる目標として、「世々代々の「まこと」を生きる/経験価値の教材化」とし、資料では、そこの丸の図の真ん中に黒いチョボを入れておりますが、これが「種子」であり、私共が、これを神と呼ぶか、自分たちの単なる生命の「種子」とみるかは別として、この「種子」をしっかりと本物にして、大きく育てていくという責任があり、また、
「種子」がどんどんどんどん成長していく力を、私たち一人ひとりが内包的な潜在能力として持っていることを確認することができることより、世々代々公共幸福社会化を目指す命題へと進展していくと思料致しております。

私共は、諸事象に対して、個でとらえ、部分でとらえ、あるいは外の問題としてとらえがちですが、部分で課題解決にあたるのではなく、この外の問題を、自分自身の内へ内へと深めていき、そしてより大きな次元の
「梵我一元」の梵行として全体で捉えることが大事であり、これはタゴールが、「部分は悪だ、全体は善だ」といってることと深くつながっており、一方、「神の喪失」こそが、現在の私共の中に起こっている一番の問題、
すなわち、「根本無知」/無知、「根源無知」/無明の問題であり、私共自身が、自身が「神の生命」を内包しているということを自覚し、実践する人生を生き切れば、全く違う次元の展開/進化、共進化、公共進化になると確信しております。

「意識」の次元転換から、「存在」の次元転換へ、さらに「実在」=「意識」=「至福」へ次元転換し、我々すべてに通底する内包的ケイパビリティを生かし、進化から共進化、公共進化を目指し、自我意識から脱却し“梵我一元”の修行道/梵行に励むことにより、オーロビンドのいう「神の生命」/「遍在する聖なるまことの現実」である万象世界が開かれてくることになると確信していると述べ,報告を終わらせて頂きました。

続いて各発表者からの発題となり
第一部 午前の部

久保篤志 ダイキチレントオール株式会社 代表取締役から
「物物交換から仏仏縁起の社会を取り戻し、その先にある大大大乗化する万物にやさしい社会構造の創造へ」と題して。
高島義人 株式会社eクリ 代表取締役から
「~宇宙大の和合を目指す世々代々のまことが開きあうデジタル進化道~」と題して。
芋谷清広 株式会社エディトデザイン 代表取締役から
「まことの企業、まことの学生を増やし、まことの社会が生まれる。公共幸福社会の実現」と題して。
 
第二部 午後の部

油谷拓哉 Space Tweedia 代表から
「京から世界へ 遊びを通した内包型教育文化の再建」と題して。
玉村 匡 渡辺・玉村法律事務所 代表弁護士から
「地域で⽣まれた⼈が、地域の⼈たちと共に、育ち、学び、働き、暮らし続けられる社会の実現」と題して。
友添敏之 株式会社友添商店 代表取締役社長から
「京都をおもろくする~経済合理性に抗う経営理念~」と題して。
葛西龍也 株式会社cd. 代表取締役、一般財団法人PBP COTTON 代表理事から
「空中大乗船団による大大大乗悉皆成仏道社会のセルフデベロップメントゴールズを目指して」と題して。
後藤 将 ムトナ株式会社 代表取締役から
「自己革命から始まる世界の全体幸福〜万機まことの人間生活革命〜」と題して。

いずれのご発題も、それぞれの幅広い分野での活動から、自分自身の自己中、我執化中心の生き方や、経営についてしっかりと懺悔し受け取り直して、大乗化への意識と存在の次元転換や、世々代々のまことを生きる経験価値の教材化による自身の変革と共に、家族、組織、地域、社会の公共幸福をめざす更なる発展の道筋について力強く発表して頂き、研究会への大きな刺激となり、参画者に共感と共鳴の感動の輪がひろがりました。

第五回大会を記念すべき大会にして頂きました発表者の皆様、そして各発題に対し、更なる深耕化・高次化・拡充化を希求する真摯なコメント頂きました参画者の皆様に、衷心より厚く御礼申し上げます。
有難うございました。

10月2日の第六回大会は、一般大会の最終回となり、新しい試みとして、各大会その他において、コメントや講評等、種々ご教導いております先生方からも、永年に亘る各分野におけるご研鑽・ご経験等を基に、将来に向けての、先生方の思いや知見等をご発題して頂くことになり、京都フォーラムとして、元々求めていた「産学共働」形式の共働研究会の開催を予定することになりました。お一人おひとりが、世々代々のまこと生きる経験価値や、お一人おひとりの“アヤラ識”を基底として、 “現行薫種子”を生きる世々代々の公共化の道、世々代々の文化の道等、宇宙大の”和合の世界”をめざす実践道の道筋について、ともに学びを深めあい、ともに歩みを進めて参る会を目指しております。

皆様方の益々のご活躍・ご発展を祈念致します。

令和3年9月17日                        
 (非営利)一般財団法人京都フォーラム
                               理事長  矢 﨑 勝 彦

追伸
10月2日(土)へのご出欠と、ご家族、会社関係者、お取引先の皆様方等、ともに新しい世界づくりを目指す幅広い方々のご参画者名を申込フォームにて9月28日(火)12時までにご回答願います。

第六回京都フォーラム申込フォーム(一般用)
https://forms.gle/2jy1DqYuFPMbzj7M7

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                 
令和3年度京都フォーラム共働研究会予定日(オンライン(ZOOM)にて開催)
     第一回   3月27日(土)   9:00~18:00  (終了)
     第二回   5月 8日(土)   9:00~18:00  (終了)
     第三回   6月12日(土)   9:00~18:00  (終了)
     第四回   7月17日(土)   9:00~18:00  (終了)
     第五回   8月28日(土)   9:00~18:00  (終了)
     第六回  10月 2日(土)   9:00~18:00
        
年次大会  11月 3日(祝日)  9:00~18:00