令和3年度第四回京都フォーラム共働研究会開催の件(令和3年7月17日(土)9:00~18:00 ZOOM活用)

各位

 既にご案内の通り、7月17日(土)、令和3年度第四回京都フォーラム共働研究会を開催致します。皆様方には、ご多忙とは存じますが、折角の機会ですので奮ってご参画下さい。

 さる6月12日(土)開催の第三回京都フォーラム共働研究会は、それぞれの発題者が自分自身の生き様を真剣に受け取り直し、仏性の自覚と実践による自身の成長発展は勿論のこと、共働態、地域、社会、さらに世界全体の公共幸福をめざす構想や、大乗化、梵我一如の空の道を目指す実践状況等を力強く発表頂いたこと、また、特別プログラムとして、私共の共働研究会で、初めて大学の現役教授による渾身のご発題を頂いたこと等により、発題者と参画者一人ひとりの仏性と霊魂が響きあい、大きな感銘と興奮の波動の輪が拡がりました。

 服部英二(財)京都フォーラム・至誠塾塾長による『あわいの智 その1―「第3のいのち」(小倉紀蔵)と通底するものとは?-」と題する基調講演で、先生が、現在の京大現役教授の中で、一番評価されているお一人の小倉紀蔵教授が最近出版された『群島の文明と大陸の文明』(服部先生の『地球倫理への旅路』の3ヶ月後に出された)の中で、いのちの形に三つあること、それは、第1のいのちー生物的いのち、第2のいのちー普遍と出会ったいのち、第3のいのちー他者との間にきらめいて立ち現れるいのちであると表明されており、服部先生が、『地球倫理への旅路』の最後に書かれた「間の哲学」「あわいの智」/“はっきりした個でありながら、しかもその個が万有と倶にあることを知る、そして光は「間」から発することを知る「あわいの智への旅なのだ」。理性は、その時感性と共振する、そして霊性と響きあう。それは、新しい開かれた理性の旅である”との表現に通底していることを冒頭にお話頂きました。

 服部先生は、「第3のいのち」=全人的いのちであり、それは、他者と倶に生きること。理性による理解にとどまらず、知情意のすべてを含む全人格をもって他者と響きあい、「間」=きらめくものを生きることであり、それは感動を伴うものであること。
ブッダ・イエスキリスト・孔子・ソクラテスの4大聖人に通底するものは、第3のいのちの湧出であり、4人とも自身による著書はなく、経典・福音書などは、いずれも弟子たちが書き残したものであり、全身全霊を傾けたその生き方/人間力により尊崇され続けて来ていること。
さらに、巨匠東山魁夷が生涯手放さなかった絵「道」が、リトグラフとされ、UNESCO本部に寄贈された時のマイヨール事務局長の感慨「この道は未来への道だ。我々はこの道を花で覆わなければならない!」と、将来世代への思いについて話され、第3のいのちの湧出は感動を伴うことをご教導頂きました。

 また、パリ・カーン庭園における当時の千宗室家元の「茶は二人して行う禅です」といわれた言葉の深さについて、さらに、キリスト教のミサは、人と神のコミュニオンの場、茶道は、人と人とのコミュニオンの場等、“共存在(CO-ESSE)としての人間”についてもお導き頂きました。

 最後に「まことは全人性の開け。人類愛はロゴスからは生まれず、個々のいのちとの出会いから生れる」、コロナ禍の中、日々真剣に生活し業務に邁進している私共に、「第3のいのち」=全人的いのちで生きることの大切さ、他者と倶に生きることの大切さをお導き頂き、参画者全員が、コロナ禍を超える新しい公共幸福、公共幸福世界を目指す決意を新たに致しました。

 続いて私から「「まこと」の開けと己事究明の道」と題して、今般、花岡先生から、最近上梓された『まことの開け』をお送り頂き、学究60年、世界の碩学との対話や研究の成果や、さらに、恩師・西谷先生の哲学を深められたご自身の哲学を開陳頂いており、最後のまとめの<まことは、各自が生きることによってのみ体得・体認され得る開けである>とのお言葉を、参画者各位と共有させて頂く思いで話を進めさせて頂きました。

 また、昨年5月8日より開始した「和弁(W/A・X)の会」の学びあいの中で、塾頭諸氏と共に、「仏道」を真剣に学びあうことにより、「空」について自覚的意識的に深めていく中で、「空」は、人間の理性や感性に基づき生成されるのでなく、仏道(人が仏になる道)による存在の次元転換により生成する生き方の「次元転換の思想」であると確信することができ、我執に捉われず仏性を生きることにより公共幸福世界を目指すことが出来るとの思いを日々強めており、さらに、その「空」さえもないという「空」の逆説「空」まで行くと、人間観そのものを超えていく仏道の次元転換へ至り、そこから俯瞰逆算して行動することで、空海の「理趣経」に説く「大欲清浄」への道が開かれてくることも確信することが出来ると述べさせて頂きました。

 最後に、私共すべてが、智慧の完成が足らないということを絶えず自覚して、転換し続けていくことで、全人格的な道、全人格的な生き方が拓かれていくとの思いを学びあい、実践していること等を報告させて頂きました。

 続いて各発題者方の発表となり、

第一部 午前の部は、

今安琴奈 株式会社オーリーコーポレ―ション から
「如来の胎児として⽣まれ、如来をめざし⼈⽣の王道を⽣きる」と題して。
亀村隆司 株式会社京都模型 代表取締役社長から
「梵我一如の空の道 まことをひらく職人道と文化道を開き続ける商人道の自覚と実践」と題して。

第二部 午後の部
難波浩気 一般財団法人咸生書院(共育内聖道場)預り人事務長から
「致良知社会 良知良能が開く世々代々公共する文明開化
AIと共に公共進化する人間本来の知能と実践」と題して。
島野和弘 スリーナイン島野株式会社 代表取締役社長から、
「一経営者として、人生の大乗化、産業社会の大乗化と共に公共幸福社会を生きる」と題して。

第三部 特別プログラムとして、
齋藤直子 京都大学大学院 教育学研究科 教授から
「たましいの解放記念日からの旅だち」と題して。
以上、5名の方々にそれぞれにご発題頂きました。

 いずれのご発題も、我執化中心の生き方を懺悔し、自分自身の生き方や、経営等について、自身の“アラヤ識”に貯めこまれた思考や仏性の自覚と実践にもとづき、大乗化への生き方への意識と存在の次元転換を目指し真摯に取り組んでいる活動内容を発表頂いたこと。また、地球大の問題山積の現状世界から、公共幸福世界への転換に向けて、みんなの幸せが私の幸せをめざす個人として、また、共働態として、“現行薫種子”による生き方や活動方針等、コロナ禍後の新しい世界づくりへの道筋等についても力強く発表して頂きました。
現役大学教授として、初めてご発題頂いた斎藤先生の、その真剣な生き方・ご活動内容に対して、京都大学名誉教授、元経済学部部長の池上先生から、同じ道を歩む大先輩として、大変感銘を受けたとの得難いメールも拝受致しております。

 第三回大会を記念すべき大会にして頂きました発表者の皆様、そして各発題に対し、更なる深耕化・高次化・拡充化を希求する真摯なコメント頂きました参画者の皆様に、衷心より厚く御礼申し上げます。
有難うございました。

7月17日の第四回大会も、一人ひとりが、世々代々のまこと生きる経験価値や、一人ひとりの“アヤラ識”を基底として、 “現行薫種子”を生きる世々代々の公共化の道、世々代々の文化の道等、新しい世界をめざす公共する実践道の道筋について、ともに学びを深めあい、ともに歩みを進めて参る会をめざしております。

皆様方の益々のご活躍・ご発展を祈念致します。

令和3年7月6日
(非営利)一般財団法人京都フォーラム
理事長  矢 﨑 勝 彦

追伸

7月17日(土)へのご出欠と、ご家族、会社関係者、お取引先の皆様方等、ともに新しい世界づくりを目指す幅広い方々のご参画者名を申込フォームにて7月13日(火)12時までにご回答願います。

第四回京都フォーラム申込フォーム(一般用)
https://forms.gle/nTVg7Qvnib75k3WNA

令和3年度京都フォーラム共働研究会予定日(オンライン(ZOOM)にて開催)

第一回   3月27日(土)   9:00~18:00  (終了)
第二回   5月 8日(土)   9:00~18:00  (終了)
第三回   6月12日(土)   9:00~18:00  (終了)
第四回   7月17日(土)   9:00~18:00
第五回   8月28日(土)   9:00~18:00
第六回  10月 2日(土)   9:00~18:00

年次大会  11月 3日(祝日)  9:00~18:00