令和3年度第三回京都フォーラム共働研究会開催の件(令和3年6月12日(土)9:00~18:00 ZOOM活用)
既にご案内の通り、6月12日(土)、令和3年度第三回京都フォーラム共働研究会を開催致します。皆様方には、ご多忙とは存じますが、折角の機会ですので奮ってご参画下さい。
さる5月8日(土)開催の第二回京都フォーラム共働研究会は、第一回大会に引き続き、それぞれの発題者が自分自身の真剣な懺悔の道を出発点として、我執化から、仏性の自覚と実践による大乗化への「存在の次元転換」、形而下(術)から形而上(道)への「意識の転換」による大乗化への道について、仏性の自覚と実践による仏仏縁起による大乗化の実践内容を自分自身の成長発展のみならず、共働態、地域、社会、さらに世界全体の公共幸福をめざす構想や実践状況等を力強く発表頂いたことで、参画者一人ひとりの仏性と霊魂が響きあい、大きな感銘と興奮の波動の輪が拡がりました。
冒頭、服部英二(財)京都フォーラム・至誠塾塾長による「離見の見~~「能」に見る全人的自覚とは」と題する基調講演で、「日本人とはなにか」ということを考えるひとつの気づきとして、「能」との出会い、離見の見」という観点との出合いについてお話頂き、また、「空」については、フランスの哲学者、記号学者ロラン・バルトが、日本に来て「日本には中心がある。その中心は「空」だ」と『Empire des Signes』「記号の帝国」という本で述べていること、また、「能」については、フランスのカトリック教徒の詩人で、駐日大使を務めたポール・クローデル氏が、日本で強く印象を受けたのが「能」であったと述懐したこと等を開陳して頂きました。
「能」については、観世栄夫氏から直に聞かれた言葉は「離見(りけん)の見(けん)」であり、シテ(幻影)は、面をつけて舞うが、ほぼ外が見えず、わずかに知覚する目付柱による自分の位置を確認して舞っている。我見を離れ、その舞台を外から見る目を持つこと/「離見(りけん)の見(けん)」の神髄を実感されたとのことでした。
また、塾長がUNESCOを退官される2年前に、マイヨール事務局長の意を受けた官房長から、“UNESCO去る前に、大きな日本文化祭をやったらどうか”と持ちかけられ、先生は、UNESCO、日本大使館、国際交流基金、パリ市、フランス文化省との共催を取りつけられ、1993年に開催の運びとなり、それが非常に大規模な大会となり、UNESCO本部の庭も含めた全フロア、シャンゼリゼの「ロンポアン・デ・シャンゼリゼ」劇場、オペラ座も含め12会場で15日間実施し、自身が意図しないぐらいの大きな文化祭になり大成功を収めたことと、それを見た当時、パリ市長で後に大統領になるジャック・シラク氏が、 “これこそが文化交流だ”と言って日本に提案したのが、「日本におけるフランス年」であり、その後、「フランスにおける日本年」を2年後に実現し、その後「日本におけるイタリア年」、「イタリアにおける日本年」と続いて行われたが、その最初の試みが、塾長のUNESCO時代の数々の業績の中の一つとしての1993年のパリの日本文化祭であったことをお話頂きました。
また、「自覚」について、先生は、「自覚は、自己が<ことば>という形で自己を客体化してこそ成り立つもので、それは「離見の見」に通じ、言葉が客体化された自己の輪郭を描くことで自覚が成立すること、さらには、一方的になりがちな排除の世界でなく、万人がともにできる包摂の世界を目指す誰も取り残さない社会/大乗社会への目覚めは、自己に対する「離見の見」、すなわち自覚から始まるとお導き頂きました。
そして最後に、あの終戦のとき日本がポツダム宣言を受諾して、天皇の玉音放送があり、皆が“日本はもう壊滅した”と思ったその時、前述のクローデル氏が友人のヴァレリーへの手紙に書いた「滅ぼされてはいけない民族がある。それは日本民族だ。かれらは貧しいが、高貴だ」との言葉を紹介されました。
しかし先生は、「日本はもはや貧しい、“彼らは貧しい”と言われない民族になりましたが、しかし“高貴だ”を維持しているでしょうか、我々は、そこを深く反省しなければなりません」と語られ、コロナ禍で不安感を抱いている私共に、奮起せよ、そして、忘れてしまっている“高貴な生”を取り戻せ、との檄であり、参画者全員が、“高貴さ”とコロナ禍後の新しい公共幸福、公共幸福世界を目指す決意を新たに致しました。
続いて私から、「世界をめざす公共スル実践道の初発心」と題して、昨年の5月8日から「オンライン京都フォーラム・和(W/A・X)弁の会」を始めたことにより、人間が仏になる道(仏道)、大乗の精神を改めて掘り下げて学ばねばとの思いに至り、ロイバスカーの「空の弁証法」に学び、「世々代々の「まこと」を生きる」という経験価値の学びを実践を通じて深めていくうちに、私共が、「世々代々の「まこと」を生きる」という言葉に込めてる思いが、単なる経験価値だけではなく、自分自身の存在意義/存在の価値であり、実践道としての大乗道であるということに気づかされていると述べさせて頂きました。
また、ブッダの「空の縁起の弁証法」から始まり、それが龍樹によって深められた「中道」―「苦楽を超える(禅定)の空の弁証法」へ、さらに、「中道」の「有無(論理)を超えていく空の弁証法」へ、最後には「空の空の弁証法」へ至る等、実心実学がどんどん深まっていく中で、私共も、自分だけの人生という次元を超えて、他者とともにする人生/大乗世界、他者の存在も含め他者の実践も含めて今一度、大乗道を受け取り直す必要があり、我執化から仏仏縁起による大乗化への道がどんどんと広がっていくのを実感しております。
また、私自身の体験として、「UNCED」体験で、「S.D」に含意された「将来世代」という観点を深め、「公共哲学京都フォーラム」体験を通じて、「内発的公共性発達体験集積人の自覚と実践」の大切さの認識を深め、現下の「コロナ禍」体験で、公知といわれる専門家の思考や方策の狭隘さへの内発的な問題意識を教材化し、かつ、内発的情動を深め続けております。
総括すると、私共は「内発的公共スル実践道/人生」、すなわち、空的弁証法的に開いていく道、さらにそれを人間の存在・人格と業績の両方を空的弁証法的に開いていく「公共スル実践道としての人生」、「公共スル実践道としての経営道」を求め続け、歩み続けて行くことの大切さを学びあっており、オンライン京都フォーラムでの学びを重ねますと、基本的には、自己が人間として高まっていき、さらに文化にかかわっていき、それが自然となること。そして、それが公共知の実践につながっていき、「公共スル知」による仏になる修行体験となり、それから「公共スル行」としての(仏道体験)につながり、さらに「公共スル成」、成就する(成仏体験)となり、「公共スル道」としての「悉皆成仏」が、「大乗スル道」につながることを自覚し、その道を実践し続けて行くとの決意を新たにしていることを表明させて頂きました。
続いて各発題者方の発表となり、午前は
一般社団法人日本アルバムセラピー協会の前田なぎ子理事から「過去の記憶や思い出から、自分サイズの幸せが見つかる「アルバムセラピー」のその先に。~感謝の仏仏縁起から拓かれ続ける菩薩道人生 個人の幸福人生と社会の公共進化~」と題して。
次いで、上智大学法学部地球環境法学科3年の松本舞冬さんから、「20歳の私がいま考える生き方その先のひらき」と題して。
午後からは、
合同会社ミレアロの兼子政慶CEOから、「「一緒にやってみよう。私たちが最初の仲間になる。」大津波を経験した僕が“絶望が希望に還る未来”を共に目指すまで」と題して。
次いで、株式会社レスイズモアの西村徹也CSOから、「世々代々内発的まことがはたらき合い いのち輝く“公共幸福世界”実現へ〜“美育的内化/進化・共進化・公共進化”の人づくり〜」と題して。
次に、社会医療法人誠光会淡海ふれあい病院岩崎良昭内科部長から「生命を守る医師業から、世々代々の生命を生かし合う医の王道を歩む 途上国への自主自立型支援により、人の命を生かし、地球の命を生かす」と題して。
次に、株式会社タム・タムの安藤 治代表取締役社長から「世々代々の「まこと」を生きる感動体験価値を共創する大乗世界~我執化から「仏性の自覚と実践」そして大乗化へ存在の次元転換~世界平和を希求する懺悔の道」と題して。
次に、有限会社ゲイル村松葉子 代表取締役 から、「分断と対立の懺悔から世々代々のまことを生きる仏仏縁起の菩薩道という世界市場 ― 公共する人メディアで仏仏縁起の道の菩薩道の文化を広げる」 と題して。
続いて、株式会社アクラム勝谷仁彦代表取締役社長から、「我執化から大乗化へ。ひとりひとりが仏性を感じ、行動し、存在の次元転換にとどまらず、実践の次元転換に至る。世々代々まことの共動態による「真(まこと)の公共事業」で地域復興から地球復興へ。」と題して。
次に、株式会社グッドプランニング吉田盛範代表取締役から、「天からの観点で、我執化から仏性を自覚・実践し、大乗化に向けて、実践を次元転換させる菩薩道を生きる」と題して。
最後に、京都フォーラム荒木一彰共働研究員から、「万人がパブリックイノベーター業を通じて公共する実践道を生きる新たな世界が動き出す」と題してそれぞれ発表頂きました。
いずれの発題も、従来の自己や社会全体の我執化中心の生き方を懺悔し、経営と自分自身の人生について、仏性の自覚と実践にもとづく仏仏縁起による大乗化の生き方への意識と存在の次元転換を目指し真摯に取り組んでいること、地球大の問題山積の現状世界から、公共幸福世界への転換に向けて、みんなの幸せが私の幸せをめざす個人として、また、共働態としての生き方や活動方針等、コロナ禍後の新しい世界づくりへの道筋を力強く発表して頂きました。
第二回大会を記念すべき大会にして頂きました発表者の皆様、そして各発題に対し、更なる深耕化・高次化・拡充化を希求する真摯なコメント頂きました参画者の皆様に、衷心より厚く御礼申し上げます。有難うございました。
第三回大会も、一回大会、二回大会に引き続き、一人ひとりが持つ世々代々のまこと、そして、仏性を機根として、仏性の自覚と実践による仏仏縁起にもとづく大乗化の道への歩みと、世々代々の公共化の道、世々代々の文化の道等、世界をめざす公共する実践道・大乗道を目指す道筋について、また、今回は、教育哲学者でエマソン研究者として有名な、京都大学教授の斎藤直子先生にもご発題頂く等、ともに学びを深めあい、ともに歩みを進めて参る会をめざしております。
皆様方の益々のご活躍・ご発展を祈念致します。
令和3年5月27日
(非営利)一般財団法人京都フォーラム
理事長 矢 﨑 勝 彦
追伸
6月12日(土)へのご出欠と、ご家族、会社関係者、お取引先の皆様方等、ともに新しい世界づくりを目指す幅広い方々のご参画者名を申込フォームにて6月8日(火)12時までにご回答願います。
第三回京都フォーラム申込フォーム(一般用)
https://forms.gle/4EtacgFkDhQ1dbQC6
令和3年度京都フォーラム共働研究会予定日(オンライン(ZOOM)にて開催)
第一回 3月27日(土) 9:00~18:00 (終了)
第二回 5月 8日(土) 9:00~18:00 (終了)
第三回 6月12日(土) 9:00~18:00
第四回 7月17日(土) 9:00~18:00
第五回 8月28日(土) 9:00~18:00
第六回 10月 2日(土) 9:00~18:00
年次大会 11月 3日(祝日) 9:00~18:00
お申し込み
- お問い合わせ先
- 京都フォーラム「イベント情報」に関してご質問などございましたら、下記からお問い合わせください。
info@kyotoforum.or.jp