(非営利)一般財団法人京都フォーラム (オンラインによる)京都フォーラム年次大会を開催します

 令和2年度京都フォーラム年次大会に関し、来年半ばに「京都フォーラム30周年記念誌」の出版を予定しておりますことより、記念誌に出来るだけ多くの塾頭方の発表原稿を掲載し、コロナ禍後の世々代々のまことを生きる道筋を、国内は勿論、世界に向けて発信することで、ともに公共幸福、公共幸福社会の実現を目指していきたいとの関係者皆様の強い意向を受け、10月12日(月)開催の企画運営委員会と毎回ご参画頂いている先生方により、第一回~第四回大会の発表者の中から30名を超える年次大会発表者の推薦を頂きました。
 その結果、令和2年度京都フォーラム年次大会は、出来るだけ多くの発表原稿の掲載を目指すために、毎回10名程度で3回に分けて開催することとなり、既にご案内しておりました11月3日(火・祝日)を第一回とし、11月21日(土)(第二回)12月12日(土)(第三回)と計3回に亘り、各9:00~18:00で引き続きオンライン(ZOOM利用)による方式で開催する運びとなりました。
各位におかれましては、今回の特別な事情をご勘案頂き、ご参画の程、よろしくお願い致します。

 10月10日(土)開催の第四回大会は、世々代々のまことを生きる/経験価値の「進化」「共進化」「公共進化」を基軸に、俯瞰逆算して自身の活動や経営をしっかりと受け取り直し、新しい社会構造や世界づくりに向けた優れた構想や実践内容等の発表により、コロナ禍後の公共幸福社会へ至る道筋をともに学びあい深め合う意義ある会となりました。発表者各位を始め、参画頂いた皆様に衷心より御礼申し上げます。

当日、服部先生からは、「あわい(間)の智へ/オーギュスタン・ベルクの風土学から共生進化へ」と題した基調講演で、仏人オーギュスタン・ベルクが、先生ご自身も問題視されていた西洋近代の主客対立の科学的思想を「西欧近代の古典的パラダイム」として退け、主客が同時に顕わになる「「あわい」(間)」の学を創始したこと。そして、「人間中心主義」から「コスモス中心主義」への移行について、さらに、風土と人間とが絶えず交信しながら人間を形成していくこと、つまり「風土は客体としてあるのではなく、その人の人生を形成している」と和辻哲郎先生の言いたかったことを明確に表明していること。さらに、ヨーロッパでは主語が絶対化され、日本では述語が絶対化されているが、ベルクは、どちらかが絶対なのではなく、主語と述語の交信が大事であり、実在とは主語と述語の交信であること。等々、ベルクの思想・哲学を中心に種々の貴重な知見をお話し頂きました。
 最後に、「共振する魂として、理性はその時、感性と共振する。そして、霊性と響きあう。それは、万有の共生と相関を知る「共なる進化の旅」、「共進化」への旅である」と、私共が共進化の道を歩むことの大切さをお話し頂き、参画者全員に深い感銘を与えて頂きました。

 続いて私から、「日々新た、いま歩み始める、内発的文化を目指す梵我一如の道」と題し、世々代々のまことを生きる一人ひとりのかけがえのない経験価値が内発的文化の道を、かぎりなくひらきつづけることの大事さについて、さらに、服部先生の仰った「主語」と「述語」に関して、主語の世界は、ピラミッド構造を強化し、上からのトップダウン型となり、述語の世界の原点は、「内発的」ということであり、下から上へ上がっていく内発的問題意識の教材化、内発的情動の教材化、内発的世々代々のまことの経験価値の教材化、内発的世々代々まことの再生産構造の教材化、内発的文化の教材化により、超構造化社会として発展し続けることが可能であることを説明しました。

 また、5月からコロナ禍への対応として始めた昼休みを活用した「WA弁の会」について、ロイバスカーの「弁証法」でメタ批判的弁証法による“不在の不在化”、“転態的実践”を学び、次の太田久紀先生の「唯識の読み方」では、“我癡・我見・我慢・我愛”のエゴイズムを超える難しさと大事さを学びあうことで、参画者の意識や言動の高次化をお互いが実感しあっていること。目下、井筒俊彦先生の大乗起信論『意識の形而上学』を日々学んでおり、その後に、岡田先生の『陽明学』、そして、下程先生のまことについて、『日本の精神的伝統』を学びあい、最後に、玉城康四郎先生の『近代インド思想の形成』まで深めたいと考えていることを伝えました。
 玉城康四郎先生は、単なる宗教学者ではなくご自身も宗教体験を深められている先生で、西と東の思想の対立しあうのでは、どちらも世界哲学になり得ない。それを融合してもっと自己の内面を深めることを科学出来れば、総合的な世界哲学になるのではないかと示唆されており、さらに、『スタディーズ華厳』のあとがきに「旅立ちの朝」として、「自分自身はありとあらゆるものとつながっているのですから、自分一人だけの解脱ということは、元々ありえません。宇宙共同体が解脱へ向かっているのです」との一文を紹介させて頂き、改めて「全一的生命学」(梵我一如)の重要性を参画者各位と共有させて頂きました。
 
 続いて塾頭方の発表となり、今安社長より、“三つ子の魂百まで”という、世々代々のまことを生きる経験価値の意義の大きさとその文化づくりの重要性ついて。
 加地社長からは、来日する外国人を中心に、介護、インフラ整備、さらにサービス等に至る人手不足への対応に加え、国籍やDNAを超えて、起業まで視野に入れた、世々代々につながる共生社会づくりについて。 
今井社長からは、2015年から始めた不登校や障害のある子供たちの教育事業を中心に、徳育道による世々代々のまことを生きる世界づくりについて。
 尾松社長からは、内発的公共進化する媒介者を群生させる「オーナー企業支援プラットフォーム」を構築し、一般企業のみならず、国や都道府県を含めたネットワークづくりを目指す構想ついて。
 俣野社長からは、創業72年のタオルの企画・卸業として、コロナ問題を機に、環境問題から見た原料の見直しや、タオルで単に身体を洗うだけでなく、生活者が心を洗う/洗心する内発的文化創造への思いについて。
 安藤社長からは、創業者が、軍艦模型造りの日本唯一の職人で、作品「戦艦大和」は、その“超超絶巧”に観る人全員が感動される。ホビーから超絶技巧まで、世々代々のまことを育みあう感動体験価値を文化にする道筋について。
 難波氏からは、良知良能とまことが開花する文化、致良知社会への道筋や、良知良能にまつわる歴史、さらには、人工知能(AI)との共存共生について。
 吉田社長からは、顧客に単に薬を売るだけ薬局から脱却し、患者さんに心、魂レベルで寄り添い、魂と魂のあわい(間)が響きあう、世々代々のまことが深まり続ける文化道づくりについて
 西村社長からは、コロナ禍を機に、美容室の役割を「Beauty」中心の枠組みから「Health」「Fashion」へ領域融合し、身体と精神のバランスのとれた内発的全人的人づくりへの挑戦について。
 荒木共働研究員からは、人として如何に生きるかについて、日々新しく魂を磨き続け、どこまでも開き続ける世界を生き、一人ひとりの生き方を文化にしていくことの大切さについて。
 山岸社長からは、コロナ禍が、人々の我欲を満たすエゴイズムの帰結であり、自身が農業を始めたことで自然の偉大さを実感し、「ファームシャングリラ」から始める「公共する自然の情動」による地球という生命体全ての共有財産再生への道筋について。
 宮田社長からは、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた福島で、「FUKUSIMA22ndCnturyProject」として、世界へ、そして未来につながる公共進化する新たな幸福共創文化社会づくりの構想について。

 以上12名の発表者それぞれが、コロナ問題を機に、全く新しい発想や思考により、進化・共進化・公共進化を基軸に、パブリックイノベーターとして、新しい社会構造や新しい世界づくりへの構想や活動内容等を発表頂き、参画者各位に感動と実践への大きな力を与えて頂き、共感の輪が拡がりました。  

 ご多忙の中、最初から最後までご参画頂いた先生方より、難波先生からは、「皆さんの発表が書籍になって全国に、また、地球上に拡がっていく予定があると聞いているが、それがあってか、発表時間は短縮されていたが、かえって内容の充実した裏打ちされたお話を沢山聞かせて頂き、有難うございました」と。
原田先生からは、「朝から晩まですごい水準で深い内容がこれだけ続いたというのは、初期のころの京都フォーラムの話から考えるとすごい進化だなと感心し、この年になってもこういう席で勉強させてもらえるのは本当に有難いことだと思っております」と。
花岡先生からは、「進歩から始まって進化に行って、その進化がやっぱり転換する。「転態性」は、進化だけではなくひっくり返るような考え方、そこに転換が出てくる。それと「まこと」と文化がもう混然一体となり、そこに何の違和感もなくて素晴らしいなと。こんな大きな発展をたった4回でお出来になるというのは、ものすごいと思いました」と。さらに花岡先生からは、「テトラレンマ」、「魂と心」についてもご教導頂きました。
 服部塾長からは、「皆さんのおっしゃることに、一つひとつ実があり内実するものがあって、非常に啓発されました。京都フォーラムは、一つの人格形成の場と言えます。すなわち、実践しながら哲学する。哲学しながら実践する。これが本当の人間を作っていく道なんですね。日本でももうちょっと広がって、それから世界に発信されたらいいなと思っております」と。                                                                                                            
4人の先生方より、京都フォーラム共働研究会の意義と、各位とともに今後進むべき京都フォーラムの道筋を懇切にお導き頂き大変感謝致しております。

 11月3日(火・祝日)開催の令和2年度京都フォーラム年次大会(第1回)は、改めて京都フォーラム30年のあゆみ・活動の集大成の大会であるとともに、コロナ問題後の新しい公共幸福、公共幸福世界をへの社会構造造づくりや世界を目指す大会として、「世々代々のまことを生きる経験価値の教材化」、「梵我一如(全一生命道)」、「形而上・形而下の一体連動」を思考の基底として、進化・共進化・公共進化への道筋や方策を発表して頂く予定です。

コロナ問題を、100年に一度の社会変革への歴史的なチャンスとして捉え、永続的に発展する再生産構造社会への転換や、社会全体を革新する真のS.D(永続的発展)の道を目指す“新しい歴史を創る人”として、皆様方とともに、日々歩みを進めて参りたいとの思いを強く致しております。 各位の、新しい世界をめざしての益々のご活躍を祈念致します。

なお、11月3日(火・祝日)(第一回)、11月21日(土)(第二回)、12月12日(土)の3回に亘る令和2年度京都フォーラム年次大会は、発表者各位の原稿を「一般財団法人京都フォーラム30周年記念誌」に収録し、東京大学出版会より来年中頃の出版を予定しております。

 令和2年10月23日 

                           (非営利)一般財団法人京都フォーラム
                                 理事長  矢 崎 勝 彦

追伸
11月3日(火・祝日)へのご本人のご出欠と、ご家族、会社幹部・従業員、取引先の皆様方は勿論のこと、コロナ問題等を機に、自立・自律人生/自立・自律社会への転換をともに目指されている、幅広い方々のご参画者名を下記申込フォームにて10月29日(木)までに期限厳守でご回答頂きますようお願い致します。
(なお、ご欠席の場合も必ずご回答をお願い致します)

年次大会①_11月3日申込フォーム(一般用)
https://forms.gle/ZycvaACrZtZ7TsgBA

<ご参考>
10月10日(土)第4回大会発表者名
今安 志保 株式会社オーリーコーポレーション 代表取締役社長
まことの道の⽂化を世々代々育み合う世界を⽬指して
⾔霊のさきわう国に⽣まれて 今を⽣きる
〜『三つ⼦の魂百まで』が世々代々、世界に広がる⽂化となる!〜

加地 太祐 株式会社YOLO JAPAN 代表取締役
世々代々に万人が繋がるDNAを超えた内発的進化、共進化、公共進化への道

今井 真路 株式会社I.S.コンサルティング 代表取締役
公共幸福社会に向けて、内発的徳育道を文化とし、万人が世々代々の内発的まことを生きる世界を創る

尾松 豪紀 株式会社メイホーホールディングス 代表取締役社長
「内発的公共進化」する媒介者を群生させる『オーナー企業支援プラットフォーム』

俣野 太一 日繊商工株式会社 代表取締役社長
自己の内在的批判力を鍛えて、生活者とともに内発的進化、共進化、公共進化する道

安藤 治 株式会社タム・タム 代表取締役社長
内発的世々代々のまことを育みあう感動経験価値を文化にする公共進化主体の道

難波 浩気 一般財団法人咸生書院(共育内聖道場) 預り人 事務長
致良知社会~良知良能と誠が開花する文化 世々代々の継承をめざして~

吉田 盛範 株式会社グッドプランニング 代表取締役
内発的に互いの世々代々の信(まこと)が深まり続ける文化道を目指して

西村 徹也 株式会社レスイズモア 相談役
世々代々、内発的まことがはたらき合う公共幸福共創社会への内発的全人的ヒトづくり

荒木 一彰 一般社団法人京都フォーラム 共働研究員
どこまでも開かれ続ける世界を生き、万物と一体となる内発的文化道の自覚と実践

山岸 暢 株式会社タナット 代表取締役
「公共する自然の情動」がハタラく「公共する人間」から始まる「地球という生命体すべての共有財産(グローバルコモンズ)を再生する」

宮田 博文 株式会社宮田運輸 代表取締役社長
第2章 FUKUSHIMA 22nd Century Project
『周縁から始まる 内発的世々代々のまことの文化創造』〜世界へ そして未来につながる 公共進化する新たな幸福共創社会〜

11月3日(火・祝日)発表予定者
荒木 一彰  一般社団法人京都フォーラム 共働研究員
岩崎 良昭  社会医療法人誠光会 草津総合病院 統括部長
兼子 政慶  株式会社 KDDIウェブコミュニケーションズ Business Development
島野 和弘  スリーナイン島野株式会社 代表取締役社長
難波 浩気  一般財団法人咸生書院(共育内聖道場) 預り人 事務長
西村 徹也  株式会社レスイズモア CSO
三上 正剛  株式会社三恒 代表取締役
山岸 暢   株式会社タナット 代表取締役
山田 将史  株式会社ソ・ラボ 代表取締役
和田 紘子  大原社会保険労務士法人 代表

令和二年度京都フォーラム年次大会日程

年次大会(1) 11月 3日(火・祝日)9:00~18:00 ZOOM利用
年次大会(2) 11月21日(土)   9:00~18:00 ZOOM利用
年次大会(3) 12月12日(土)   9:00~18:00 ZOOM利用